誰でも使えるMAGMAメソッド
質問力で答えの精度が変わる
さて、ここからメソッドの手順に入ると言いましたが、その結果の品質を最も左右すると言っても過言ではないのが、この「テーマ」の決め方です。
————- この章の要素 ————-
⑩疑問の投げかけ
⑨目的に忠実に
⑧思考の幅を整える
⑦外の排除
⑥思考範囲をほどよい幅に収める
⑤思考の筋を見せる
④不要な限界を消す
③時間の区切り
②時間軸の明確化
①幅の最適化
⓪質問力が全て
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全ての思考は、答えを出すための自分への「テーマ」となる「疑問の投げかけ」から起こります。たとえば、「私にとっての趣味とは?」や「この先に適切な進路を選ぶためには?」などがそうですが、その疑問の精度が低ければ、最初からまともな答えが出ないことを確定させてしまうようなものです。
これはGoogleなどのインターネット検索にでも言えることです。いくら検索エンジンが賢くなろうとも、検索キーワードの入力を間違えれば、欲しい答えがまともに返ってきません。
それと同じく、人の思考もその疑問の作り方次第で、出てくる答えが大きく変わってきます。ですから、「テーマ」の設定はこのメソッドにおいて最も慎重に学ばねばなりません。
テーマの分類
まずは、疑問となる「テーマ」の分類から見てみます:
- 定義
- 記憶
- 目的
- 問題
定義
「私にとって〜とは?」など、自分にとっての「意味」や「考え」、「思い」を引き出すためのテーマです。自分がどのように考えているのかというロジックを具現化するための疑問となります。
例:「私にとって恋愛とは?」
記憶
「過去の〜はなんだったのだろう?」など、自分の過去の記憶を引き出すテーマです。自分はどう生きてきた、過ごしてきたのかをロジックとして思い出すための疑問となります。
例:「私の過去の実績とは?」
目的
「〜するためにはどうすればよいのか?」など、自分の目標を達成するための手段をロジックとして引き出すテーマです。この先どう行動すれば自分の夢や目標に近づくのかを知るための疑問となります。
例:「素敵な恋愛相手を見つけるには?」
問題
「〜を解消するにはどうすればよいのか?」など、「目的」に近いものはありますが、どちらかと言えば問題の解決に向けた手段をロジックとして引き出すテーマです。これは悩みごとの「解消方法」を知るための疑問となります。なぜここでは「解決」ではなくて「解消」なのかは後に説明します。
例:「人間関係の問題を解消するには?」
「テーマ」はこのように、その場で自分の頭に浮かんだ疑問を書くだけです。
しかし、普段ひとりで考えたり、単に人に質問したりするような疑問を書くだけでは、自分が求める答えとはズレたものが結果として出ることが多々あります。実は、「テーマ」はそれが思い浮かんだ後の調整が最も大きな課題となります。
質問力が全て
ここで、どの種類の「テーマ」を設定しようとも共通して最も重要なのは、いわゆる「質問力」です。
「質問力」という言葉だけを聞くと、それは、「的確に答えさせるような厳密な質問をする力」という風に思えるかもしれませんが、それは大きな間違いです。そもそも、質問をするときに厳密な疑問を投げれば投げるほど、それに答える側の回答の範囲が狭まるため、本来引き出すべき答えの要素が除外されてしまう可能性が高くなるからです。
たとえば、「私はあの人が好きなのか?」という「テーマ」があれば、それに対する答えは「イエス」か「ノー」の2択です。ですから「イエスノー質問」は的確ですが、「イエス」か「ノー」以外の回答の可能性を殺すことになります。
ですから、私たちが必要とする「質問力」とは、「本来知りたい思考の筋が収まるギリギリの範囲を定めた質問を、的確な言葉で表現する力」を指します。答えを探し出して拾い上げるための範囲は、広すぎても狭すぎてもダメなのです。
まとめ:「⑩疑問の投げかけから始まる思考は、⓪その質問力が全てです。そこの力が弱いと、⑤そもそも筋を見いだすことができません。そのために、⑥思考範囲をほどよい幅に収めるで思考の幅を区切らねばなりません。」
———-ここまでの要素———-
⑩疑問の投げかけ
⓪質問力が全て
⑤思考の筋を見せる
⑥思考範囲をほどよい幅に収める
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目的に沿ったテーマを書く
第1章の例で言えば、最良の答えを導き出すためには、まず川の領域を適切に区切らねばなりません。そのためには、テーマ自体の幅を自分で上手く設定する必要があります。
詳しいテーマの書き方や調整の仕方については後に説明しますから、ここではメソッドをとにかく早く使えるようにするために、必要最低限のことだけを学びましょう。
目的に忠実に書く
トラブルに遭ったとき、あなたの頭に浮かぶことは何ですか?
「なぜ?」、「どうしよう?」、「困ったな?」
そんな言葉が自然と出てきていませんか?
MAGMAメソッドでテーマを書く際にもそのような癖が出る傾向があります。そのような曖昧すぎるテーマを設定すると思考の幅が広くなりすぎて、的確な答えは導き出せません。
問題を解消したいのですから、正しくはテーマをこのように目的に忠実に書くべきでしょう。
「なぜ、このようなトラブルに遭う羽目になったのか?」
「どうしたら、このトラブルを解消できるのか?」
「このトラブルについて、私が困っていることは何か?」
こう言う癖をつけるだけで、MAGMAメソッドを使う以前に普段から驚くほど問題解消が楽になります。
関係ないことを排除する
気が散る、集中力がない、話が逸れる、自分のことをそう思われている場合は、考えるときに自分に投げているテーマの境目が広がりすぎていることがほとんどです。
そう言う場合は、目的となる答えを得るために、邪魔しているもの、余計なもの、勝手に頭をよぎるものをテーマで直接排除してしまうことが一番です。
これも最初はあまり難しく考える必要はなく、普段考えが集中できなくて、思考がそれてしまう先のことをテーマから外してしまいます。
例えば、目先の問題を解消したいのに、過去のことや先のことがずっと気になってしまう場合は、このようにそれらの必要ない時間軸を排除します。
「過去や先のことは無視して、今この問題を解消するには?」
細かいテーマの調整は後ほど学びますが、自分的に問題の解消を邪魔している癖を把握している場合は、テーマでそれをまず排除してしまいましょう。
もう一つ例を見てみましょう。たとえば、問題を自分で解消したいのにもかかわらず、他人に頼ってしまう癖を自分でも認識している場合です。
「他人のことは一切無視して、自分ひとりだけで、今この問題を解消するには?」
こうすれば、出てくる答えがよりいっそう求めるものに近づきます。
まとめ:「⑧適度な幅を持って⑨目的に忠実にをテーマとして書くには、⑦関係のないテーマ外のことを排除しなければなりません。④また、無駄に自分が設定している限界を消す必要があります。」
———-ここまでの要素———-
⑧思考の幅を整える
⑨目的に忠実に
⑦外の排除
④不要な限界を消す
———-ここまでの要素———-
時間軸の区切りと幅の調整
より一層的確な答えを求めるためには、意識的にテーマの時間軸を最も最適な範囲で区切る必要があります。
先ほど出した例がまさにそうです。
「過去や先のことは無視して、今この問題を解消するには?」
この場合、自分が考える川の手前(過去)と向こう側(未来)を、できる限り今現在に近いところに限定します。
要するに、橋をかけるための要素を拾う時間軸を、自分であらかじめ決めてしまうということです。
この時、人間の凄い力を使いましょう。それは、何月何日からいつまで、のような具体的な表現を使わずとも、この例のように「この先」など自分個人の個性や記憶で区切られるあいまいな表現を使っても良いということです。
もちろん、テストやレポート、企画など、締め切りがあってきっちりとした日付で区切らねばならないテーマもありますが、通常はこういった自分にしっくりくる表現の方が、豊かな答えが得られる場合が多いのです。
例えば、絵を描いているとします。
「この絵をできる限り2週間で仕上げるには?」
もしそう書いてしまうと、本来、今回の絵は1週間で仕上がるかもしれなかった可能性を無くしてしまいます。要するに、自分で必要のない無駄を最初から設定してしまっています。
そういう場合は、
「この絵を、満足するクオリティのままで、できる限り短時間で仕上げるには?」
としてしまえば、無駄な限界設定を外すことができます。
自分の個性が絡むテーマであるほど、絶対的な数字で期限や期間、点数の目標を設定することは、能力の限界よりもっと手前に壁を作ってしまう要因となりえます。
ですから、他人には曖昧に聞こえようとも、「すぐに」や「直近で」など、自分の感覚でおおよそ決まっている表現を使うことをお勧めします。
時間軸ともう一つ気をつけねばならないのは、川の例で言う区域、すなわちテーマの幅です。
明らかに関係の無い、役に立たない要素ばかりが出てきたり、逆に細かすぎて単調な要素ばかりが出てきたりする場合は、テーマが厳密すぎたり曖昧すぎたりすることが原因になっていることがほとんどです。
これには、以下の2つのことを自分に問いかけながら、「テーマ」を何度か調整すれば済みます。
- 3年後の自分が見ても、そのまま読んで意味がわかるかどうか。
- 家族や友人、恋人などの仲の良い人が読んでも、質問なしに意味がわかるかどうか。
テーマがあまりにも曖昧であると、後に自分が見た時に「これってどう言う意味だっけ?」、「これって誰のことだったかな?」と参考にできなくなります。
かと言って厳密すぎると、テーマが長くなりすぎて、かつ幅を限定しすぎてしまうために、答えとなる要素に個性を豊かに含んだ表現が出にくくなります。
ですから、丁度良い距離にいる未来の自分や周りの人を基準にして、必要最低限な分だけ「テーマ」を具体的にします。
こうやって時間軸を区切ってから幅を調整しておけば、あなたが作る「テーマ」自体がきっちりとした答えを出すようになります。
まとめ:「②どの時間軸(横軸としての時代)のことについて、③どこからどこまでという区切りをはっきりさせてテーマを設定すると、より精度の高い答えが出てきます。また、①どこからどこままでの幅をテーマに入れるか(縦軸としての思考の幅)をはっきりさせると、⑤よりくっきりとした思考の範囲内で、より最適な答えが筋として出てきます。」
———-ここまでの要素———-
②時間軸の明確化
③時間の区切り
①幅の最適化
⑤思考の筋を見せる
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程よい幅は人によって違う
MAGMAメソッドは、あなたの個性を内側に秘めたままに、自分の頭にあるロジックを出力するものです。
ですから、他人を参考にしても役に立たず、あなたにとって最適な川幅と区域を見つけていかねばなりません。
かといってそれはそんなに難しいことではなく、
- 自分にとって不要な部分や限界をテーマから取り除く。
- 自分にとって最適な時間軸で区切る。
- 自分にとって最適な具体性にまで調整する。
の3ステップで、テーマがどんどんあなたが求める答えを出すようにまで洗練されてきます。
特に、知らず知らずのうちに自分が設定してしまっている限界は、成長するにあたっては一番の邪魔者です。それを意識的に排除できるようになってくれば、あらゆる疑問が最小の時間で解消されることになるでしょう。
まとめ:「⑦必要のないことをテーマから除外するために、①思考の幅と区域を調整しながらも、④知らず知らずのうちに設定してしまっている限界設定を外せば、⑩あらゆる疑問が最短時間で解消できるようになります。」
テーマを調整する更に綿密な手法は後にたっぷりと学びますから、とにかく今はメソッドを使ってみましょう。
次に、実際に思考の要素を出す手順に入ります。
———-ここまでの要素———-
⑦外の排除
①幅の最適化
④不要な限界を消す
⑩疑問の投げかけ
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