誰でも使えるMAGMAメソッド
あなたが抱えるあらゆる問題を、解決寸前となる最小の状態にまで解消しようと思えば、この本に書かれた手順に従って12項目を書き出して並び替え、いくつかの問に答えていくだけで済みます。それがMAGMAメソッドです。
そこだけを聞けば、このメソッドがいとも簡単なように聞こえますが、完成形に行き着くまでには紆余曲折の長い道のりを歩みました。きっかけは、2018年の夏に「閃きには法則性があるに違いない」と思い立ったことでした。そこで、まず私は最初に「ものごとを考える論理の再発明」を目指したのです。
それまでに存在していたあらゆる方法論やメソッドは、今までにうまくいった手法を統計学上で積み重ねて改善してきた学問でした。しかし、それがどうしても当てはまらない人にとっては、たとえメソッドを文言どおりに実践しても良い結果が出るとは限らず、何度試したとしてもしっくりきません。それは、情報をアウトプットする側である著者や研究者も、インプットする側であるあなたも、同じ人としてコミュニケーションの間に挟まるお互いの「豊かな個性」が邪魔をしていたからです。その柔らかい個性を土台としてレンガのように積み上げられたノウハウが、決してルール通りにあなたに当てはまるわけではないということが、あなたとあなたが読む情報との間で埋めようのない相性の悪さを生む原因でした。
私自身、この何十年で何百冊というハウツー本やビジネス哲学書、自己啓発本、能力開発や思考の指導書を読んできました。しかし振り返ってみれば、自分に当てはまって役に立っているのは、それぞれの書籍におけるほんの一握りの部分だけでした。結局は、それら書籍の中で共通して、自分の傾向にあっている部分だけに、ある程度の割合で共感して、納得できたということでした。今思えば、それら馴染むことができた書籍の著者の個性と私のそれに、たまたま重なるところが多かったのでしょう。
そこで私は考えました。個性を尊重したままで、それを人の外側ではなく内側にあるものとして考えれば、どのような相手に対しても自分の考えを最大限に伝えることができるはずです。実は、それが可能となる「共通言語」としてのロジックが存在するのでは?という疑問から始まり、人の思考を細分化していって、ついに行き着いたのが「MAGMA理論」です。そこで閃いた理論を紐解いて、2019年年末から論文を書き始め、2020年1月にはインターネット上で200ページに及ぶホワイトペーパーとして公開しましたが、それはとうてい、一般的に理解していただけるたぐいのものではありませんでした。
そのMAGMA理論を、中学生くらいからでも簡単に使えるレベルのものに昇華させようと、一から新しいメソッドとして構成し直し、2年以上かけて2022年4月にやっと完成したのがこの「MAGMAメソッド」です。簡単なルールに従って、お題や疑問となるテーマから始めて12項目(感情について掘り下げたい場合は+最大4項目)を書き出すだけで、全ての思考要素を書き出し、自分ひとりで問題を最小化、すなわち解消することができます。
たいていの人は、無意識のうちに、ほぼ解決策に近いアイデアが頭のどこかで生まれています。それがいわゆる閃きです。生まれている閃きを意識的に見つけるには、頭の中で「未来の目標」と「過去の経験」を何度も行き来せねばなりません。そのためには、問題が解決しているであろう明るい未来からの引力を自分の推進力に変換して、問題を消してしまう「解決」ではなく、最小にする「解消」を第一に目指さねばならないのです。
私は自分の経験を振り返りながら、その因果における過去と未来を気が遠くなるほどの回数行き来して、ようやく「思考の要素には質量とつながり、流れがある」というMAGMA理論に行きつきました。それがまさに、「閃きの強制発生器」となるこのMAGMAメソッドを生み出すための礎となったのです。
これを読んでいるあなたは、もう私と同じ苦労を繰り返す必要はありません。頭の中にある考えのまとめから、会話の内容、企画書、ビジネスプラン、論文、スピーチ文、礼状、ラブレター、ツイートまでのあらゆる文章について、一定のルールに従って12項目を書き出して、並び替え、4段落の文章に書き直すだけで、相手に最も意向が伝わるアウトプットができます。
その「伝える相手」には、あなた自身も含まれます。MAGMAメソッドを使えば、想像もしなかった一本の筋として頭の中身が具現化されます。人は普段ものごとを点と点として分けて意識しがちですから、実は思考を完全な筋としてアウトプットするだけでも、頭の中の霞が晴れ、自然に心もスッキリします。
そして何よりも、テーマがどのような疑問や難題であったとしても、あなた自身が書き出して具現化した思考要素の中に、その解決策へのヒントとなる、思いもよらない大きな閃きが記されていることを知ります。
MAGMAメソッドひとつで、恋の悩みから学業や仕事の迷い、人間関係の苦しみまで、あらゆる人の悩みを解決するためのヒントが導き出せるほか、あらゆる文章をまとめるのにかかる時間を何十倍、何百倍と節約できます。
私は未来へと向かう効率を上げるために、「閃きの再発明」によって様々な問題を解消しようと試みた結果、「ものごとを考える論理の再発明」に至りました。それを是非あなたにも、自分の人生をより楽しむために活用していただきたいのです。
実は、この前書の構成もMAGMAメソッドを使って書きました。
まずは、以下のようにテーマを設定しました:
テーマ「MAGMAメソッドを知らない人に紹介するための、最も真意が伝わる前書きとは?」
それを念頭に、次のような思考要素を書き出しました:
⑩論理の再発明
⑨未来と過去
⑧無意識の中の解決策
⑦未来への推進力
⑥ひとりで完結
⑤12項目+4項目書く
④問題の最小化(=解消)
③MAGMA理論の完成
②因果を行き来
①閃きの再発明
⓪個性許容の論理
次に、書き出した思考要素を以下のように並べ替えます。
⑩論理の再発明
⓪個性許容の論理
⑤12項目+4項目書く
⑥ひとりで完結
⑧無意識の中の解決策
⑨未来と過去
⑦未来への推進力
④問題の最小化(=解消)
②因果を行き来
③MAGMA理論の完成
①閃きの再発明
⑤12項目+4項目書く
⑦未来への推進力
①閃きの再発明
④問題の最小化(=解消)
⑩論理の再発明
あとは、その順番と筋、意味を変えないように、表現だけを変えながら、自分の個性豊かに肉付けをして文章に書き起こしただけです。実は、前書きだけではなく、あなたが読むこの本の全てがMAGMAメソッドを使って書かれています。
なぜこのような、まるで手品のような手順だけで、筋の通った考えや長文が書けてしまうのか?この本を読み終わる頃には、その仕組みを理解しながら、あなたも同じことが簡単にできるようになります。
既に、私が認めた一部の理解者が、多くの皆様にこのメソッドの考え方と使い方を指導をしており、ここに書かれている完成版より比較的古いバージョンの手法でさえも、様々なケースで仕事や個人の問題解決に多大な成果をもたらしています。
これを読んでくださるあなたにも、MAGMAメソッドで人生の時間を伸ばすことによって、その分たっぷりと余暇を楽しんでいただけますように。

