誰でも使えるMAGMAメソッド
さて、ここからがMAGMAメソッドの本番になります。
疑問となる「テーマ」さえ整えば、ここからは一定のルールに従って12項目を埋めていくだけです。実際に手順を試すことによって、埋め方を簡単に学べます。
MAGMAチャート
まずは以下のようなMAGMAチャートを用意します。
【12項目MAGMAチャート】

チャートには12個の入力欄が存在しますが、そのうち⑩から①は線で結ばれています。この線は、あくまでも「配線」であり、上下で親子関係のある「ツリー構造ではない」と今は考えておいてください。
まず1つめとして、上の欄に作った「テーマ」をそのまま書きます。ここではあなたも、この例で試してみましょう。
テーマ:「最も自分のことを理解してもらえる自己紹介文の内容とは?」
要素の書き出しルール
ここから残りの要素11項目を埋めていくわけですが、まずは大まかな絶対の3原則を最初に伝えます。
- 要素の出し方にはルールがあるので守ること。
- 出てくる要素の内容にはルールがないので、何が出ても飛ばさす、言葉は変えても良いが意味は絶対に変えないこと。
- 出てきた内容にはまとめ方と書き方のルールがあるので守ること。
これから、要素の欄を埋めていく際の詳細なルールを説明するのですが、それには必ず従っていただく必要があります。しかし、要素を頭の中から出すときに、「テーマと全く関係がない」と感じたものや、複数回同じものが浮かんだ場合でも、飛ばしたりすり替えたりせずに、それを元にして意味を変えないままに、簡潔にまとめて書かなければなりません。
⑩の要素の書き出し方
では、実際に1つ目の⑩を早速埋めてみましょう。
まず、ここから①までを埋めるときの注意点としては、これは連想ゲームではないということを覚えておいてください。連想ゲームは、あれやこれやと考えて次の答えを出そうとしますが、要素の書き出しは真逆です。何も考えてはなりません。頭に浮かぶのを待ちます。
❌連想ゲーム
⭕️想像ゲーム
あえていうならば、無意識の思考が「暗い筒」であるとしたら、そこから要素を光る球として徐々に押し出すような感じです。実際にやってみましょう。
頭の中でテーマである「私のことを最も理解してもらえる自己紹介文の内容とは?」を繰り返します。この間は、何も考えてはなりません。この時、テーマを繰り返すたびに、鼻から小さく息を吸います。
すると、あるところで息を吐きたくなりますので自然とそれに従います。そのタイミングで浮かんだものがひとつめの⑩の要素です。もしぼんやりとしている場合は、頭の中でテーマを繰り返し読むたびに、鼻から小さく息を吸います。
イメージした方が考え事がしやすい人は、トイレットペーパーの芯を50センチぐらいに伸ばした筒がひとつの思考だと思ってください。その中身は真っ暗です。その筒を横向きに持って、その右側から、何度も「テーマ」が書かれた玉を突っ込み続けるイメージです。

「テーマ」を何度も頭の中で繰り返しながら毎回鼻から小さく息を吸うと、特に息を吐くタイミングに合わせて突然何かが明るく浮かびます。それは言葉であったり、情景や絵画のようなイメージであったり、音であったり、味や感触であったり、感情であったりします。
筒のイメージを使う場合は、「テーマ」が書かれた玉を右から突っ込みながら息を小さく吸うことを繰り返していると、あるとき口から息を吐くのと同時に突然左の端から光が見え始め、もうひとつ別の玉が押し出されて出てきます。

これで⑩の要素が出てきました。ここで出てきたことを大事にすることが重要です。繰り返しますが、「テーマに全く関係がないのでは?」と感じるようなことが出てきても、絶対に捨ててはなりません。
第1章「とにかく使ってみる」で紹介した4拍子のリズムに乗る方法も使えますが、慣れてくるとこのように「テーマ」を連続して頭に詰め込む方が、短い時間で要素が出てくるようになります。
1つ目の⑩の要素の出し方は以上です。
要素の表現ルール
次に、ここで出てきたものを以下のルールに従ってまとめます。
- 名詞は最大2つまでしか使わないこと。
- 動詞や形容詞や形容動詞、副詞で表現をふくらませて、助詞でつないで豊かに書くこと。
- 必ず最後に「〜を求める」もしくは「〜を避ける」が続けられるように書くこと。
- 出てきたことの言葉や表現は変えても良いが、自分にとっての意味を変えないこと。
頭に絵が浮かぶ人もいれば、音で聴こえる人、そのまま言葉が出てくる人もいます。いずれにせよ、上記のルールに沿った表現で要素として書き留めねばなりません。
もう国語の文法用語を覚えていらっしゃらないかもしれませんが、そんなに難しくありませんので、ひとつひとつ見ていきましょう。
ここでは、最初の要素がこのように出てきたとします。
⑩「恥ずかしがり屋」
しかし、これでは単純すぎるので、ルール1つ目の名詞は2つまでという制限を利用して、より豊かな要素にします。
- (人前)で話せない(恥ずかしがり屋)
これは、単語ひとつが点であるのに対して、単語ふたつは絵を描くときの1ストロークのように、点と点を結ぶことによってひとつの線を描くからです。
- 1単語: ・
- 2単語: ・ー・
もし、以下のように3つ以上の名詞が出てきてしまった場合や、当たり前すぎて省略できるような名詞が含まれてしまった場合は、よほど自分の個性を象徴していたり、このテーマで強調していたりする名詞でない限りは、意味をそのままに数を減らしたり、より豊かな表現に変えたりして書き直します。
名詞が多すぎる場合
- (人前)で(言葉)が出てこない(恥ずかしがり屋)
↓
- (人前)で話せない(恥ずかしがり屋)
当たり前すぎて省略できる名詞が出た場合
- (人前)でちゃんと話せない(恥ずかしがり屋)
↓
- (人前)で話せない(恥ずかしがり屋)
もし名詞がみっつ以上あると、折れた線のように無駄な形になったり、曲がった線のように方向が定かでない線になってしまいます。
・
/
・ー・
また、不要でありきたりな表現があると、せっかくの要素がふにゃふにゃで言葉の力が弱くなってしまいます。
・〜・
例えば、「私」といった確定している主語などは、無駄に1名詞を消費してしまうだけになります。
無駄な単語でひとつ消費してしまっている場合
- (人前)で話せない(私)
↓
- (人前)で話せない(恥ずかしがり屋)
それらのポイントを頭に入れた上で、ひとつの要素は、よほど1名詞として強烈に主張したい場合以外は、できる限り点としての名詞をふたつつないで、ひとつの線として書く練習をしましょう。
「〜を求める」か「〜を避ける」かに分ける
要素には「〜を求める」か「〜を避ける」のふたつしかありませんから、自分から出た要素がそのどちらなのかを見極めます。
それは、思考要素の内容が洗練されて豊かになったところで、自分にひとつ問いかけをするだけ簡単に判別できます。
「私にとって⑩とは求めていることなのかな?」
もしこの答えが「はい」であれば、これは「求める」の要素ですから、そのままにしておきます。
しかし、「大衆の前で話し始めると、凍りついてしまう恥ずかしがり屋」は不本意にも自分の望む姿ではないとします。
では、この場合は「避ける」の要素となりますから、文末に「〜を避ける」と加えて、「求める」の要素と区別できるようにしておきます。
「人前で話せない恥ずかしがり屋」
↓
「人前で話せない恥ずかしがり屋を避ける」
要するに、引力を感じて近づきたいと感じる要素は「〜求める」であり、斥力を感じて遠ざかりたいと感じる要素は「〜避ける」であり、要素にはその2種類しか存在しません。
これで⑩の要素は完成しました。これを⑩の枠内に記入します。
「求める」の要素はあえて「〜を求める」と付け加える必要はありませんが、自分で求めているのか、求めていないのかが後で分かりにくくなりそうな場合にのみ、「〜を求める」という表現に書き換えるようにして下さい。
例えば、「言葉数が少ない頑固」と出たとします。
これは、一見すると「〜避ける」と受け取られがちですが、今の自分はその頑固さを気に入っており、引力を感じるとします。その場合は、のちに分かりにくくならないように「言葉数が少ない頑固を求める」としておきます。
「言葉数が少ない頑固」(一見斥力に見えて実は引力を感じる)
↓
「言葉数が少ない頑固を求める」
さて、話を元に戻します。
⑨の要素の書き出し方
続いて⑨の要素を出します。
今回は、「テーマ」を2回、⑩の要素を1回、空白の順でひたすら頭の中で繰り返します。そのたびに、1回ずつ鼻から小さく息を吸います。
「テーマ」、「テーマ」、⑩、空白
この例の場合ではこうなります。
- 「最も自分のことを理解してもらえる自己紹介文の内容とは?」(鼻から小さく吸う)
- 「最も自分のことを理解してもらえる自己紹介文の内容とは?」(鼻から小さく吸う)
- 「人前で話せない恥ずかしがり屋を避ける」(鼻から小さく吸う)
- 「??????????」(口から大きく吐く)
あとは⑩を出した時のやり方と同じです。何も考えないようにします。
すると、空白の「???」が来て口から息を吐く時に、突然明るく何かが浮かびます。それを⑩と同様のルールで書き出します。
そして、出てきた要素をまとめてから「求める」か「避ける」の分類をして⑨の枠内に記入します。
要素が出にくい人はここでも同様に筒をイメージしましょう。その場合も、「テーマ」、「テーマ」、⑩を筒に入れていきます。

「テーマ」、「テーマ」、⑩と入れたあと、空白で待つ。それを繰り返していると筒の左端から次の要素が出てきます。

⑧から①の要素の書き出し方
続いて、⑧の要素を出します。この際、一旦⑩の要素は忘れてください。隠すか、見ないようにするかするのも良いでしょう。とにかく、「テーマ」を2回、⑨の要素を1回、空白を1回、をひたすら何も考えずに頭の中で繰り返します。
これまでと同様に、「テーマ」2回と⑨を読む時には鼻から小さく息を吸い、空白がきたところで大きく口から吐き出します。
「テーマ」、「テーマ」、⑨、空白
そして、出てきた要素をまとめてから、「求める」か「避ける」の分類をして⑧の枠内に記入します。
このようにして、残りの⑦から①までの要素を書き込んでいきますが、常に「テーマ」と「最後に出た1つの要素」のみを使って、それ以外は無視して枠を埋めていきます。
要素が出にくい人は引き続き筒のイメージを活用してください。

ここでは、このように⑩から①までが出たとしましょう。
—————————————
テーマ「最も自分のことを理解してもらえる自己紹介文の内容とは?」
⑩人前で話せない恥ずかしがり屋を避ける
⑨SF系アニメの話をする
⑧エレキギターを無心に弾く
⑦好きなテーマでは永遠に話せる
⑥SFショップ開店が夢
⑤毎週末の作曲
④クラシック音楽と近代ロック
③演奏中は前で目立ちたい
②小さい頃から表情が暗いと言われるを避ける
①初対面での冷たい目を避ける
—————————————-
以上で、回路図として線がつながった⑩から①の部分については要素の書き出しは完了です。
⓪のルーツの書き出し方
①まで埋まれば、残りは⓪の要素だけです。しかし、これだけが⑩ー①と出し方が異なります。
⑩から①までの要素は、連想ゲームは禁止の想像ゲームでしたが、⓪の要素だけは連想ゲームの方を使いながら出します。
❌想像ゲーム
⭕️連想ゲーム
まず、頭の中で以下の順番で素早く読みます。その時、始める前に大きく息を吸い込んでから、読み始めると共に少しずつ息をゆっくり吐き始めて、①を読み終わるところでちょうど吐き終わるようにします。
「テーマ」⑩⑨⑧⑦⑥⑤④③②①
口から吐く→→→→→→→→→→|
これを3回繰り返します。
次に、「テーマ」と自分が書いた①の要素だけに注目します。
「私にとって『テーマ』と考えたときに、『①』と考えたのは、それ以前にどのようなきっかけがあったからかな?」
と自分に問いかけます。
例の①には「初対面での冷たい目を避ける」という要素が書かれています。
ですからこの場合、「『私にとって最も自分のことを理解してもらえる自己紹介文の内容』を考えたときに、『初対面での冷たい目を避ける』と考えたのは、それ以前にどのようなきっかけがあったからかな?」と自分に問いかけます。
そうすれば、過去の出来事を次々と連想して、「そういえばこういうことがあったな」、「いや、それより前にもっとこれもあった」、「あ、あんなこともあった」と過去を遡っていきます。この時にも、少しずつゆっくりと息を吐きながら自分の記憶に思いを馳せるようにするとより効果的です。
するとある瞬間に、「これだ!」と情景豊かに明るくなるときがあります。それこそが、⓪に入れるべきルーツとなる記憶ですから、他の要素と同じルールに従って書き入れます。
このルーツは人によって直近の出来事であることもありますし、遠い過去の記憶であることもあります。難しく考えずとも、連想していって「テーマ」において①と思ったきっかけ、根拠、鍵となったことを感じたら、それをそのまま書いてください。
もし、⓪番が出にくい場合は、「テーマ」と⑩⑥①だけを頭の中で3度読んでから、再び①から過去に遡ります。
第1章「とにかく使ってみる」で紹介した4拍子2小節のリズム使う方法も有効です。
それでも⓪の要素が出にくい場合は、右から順にこう言うふうに右向きの矢印で結んだ□の枠を左に足していってから過去を遡った要素を書き、出てくるのが止まるまで遡るのも良いでしょう。

ここで、このような⓪が出たとしましょう。
⓪作品を認めてくれる人たち
12項目の書き出し完了
これでタイトルと11個全ての要素を合わせた12項目が揃いました。
—————————————
テーマ「最も自分のことを理解してもらえる自己紹介文の内容とは?」
⑩人前で話せない恥ずかしがり屋を避ける
⑨SF系アニメの話をする
⑧エレキギターを無心に弾く
⑦好きなテーマでは永遠に話せる
⑥SFショップ開店が夢
⑤毎週末の作曲
④クラシック音楽と近代ロック
③演奏中は前で目立ちたい
②小さい頃から表情が暗いと言われるを避ける
①初対面での冷たい目を避ける
⓪作品を認めてくれる人たち
—————————————
回路図はこのように完成しているはずです。

要素は⑩から、重要性の高いものから順に並んでいます。要するに、⑩は⑨の目的で、⑨は⑧の目的で、というふうに時系列とは逆になっています。
それを、あえて無理やりひとつの文章にするとすれば、このようになります。
「⑩人前で話せない恥ずかしがり屋を避けるために、⑨SF系アニメの話をするために、⑧エレキギターを無心に弾くために、⑦好きなテーマでは永遠に話すために、⑥SFショップ開店を夢とするために、⑤毎週末の作曲をするために、④クラシック音楽と近代ロックを聞くために、③演奏中は前で目立つために、②小さい頃から表情が暗いと言われるのを避けるために、①初対面での冷たい目を避ける。それは、そもそも⓪作品を認めてくれる人たちを求めていたからです。」
これが、このテーマのロジックです。未来の夢が一番先に頭に浮かぶので、そこから順にその前にすべき過去のことに移っていきます。
逆に、②は①の結果、③は②の結果、というふうに①からは因と果として過去から未来へとつながっています。それを、時系列に過去のルーツの⓪から順に無理やり文章にするとこうなります。
「⓪作品を認めてくれる人たちを求めることをルーツ(前提)として、①初対面での冷たい目を避けて、②小さい頃から表情が暗いと言われるを避けて、③演奏中は前で目立つようにして、クラシック音楽と近代ロックを聴いて、⑤毎週末の作曲をして、⑥SFショップ開店を夢見て、⑦好きなテーマでは永遠に話して、⑧エレキギターを無心に弾いて、⑨SF系アニメの話をすれば、⑩人前で話せない恥ずかしがり屋を避けるようになることができる。」
これが、このテーマの計算式です。⓪を前提として、時系列に要素を過去の端の①から順に行動に移せば、⑩の夢にたどり着きます。

せっかく頭の中にこのロジックと計算式ができているのに、人はそのふたつを混同しがちなため、いざとなるとアクションに移す順番を間違って思わぬ結果になってしまうことが多々あります。
夢を叶えるためには、頭に浮かぶ順番とは逆に実行していかねばならないのです。
横軸は時間軸
まずは横軸を見てみましょう。⑩⑨⑧⑦は未来について、⑥⑤④は現在について、③②①⓪については過去についての要素が出ています。
ここで間違えてはいけないのは、これら未来、現在、過去というのは私たちが生きている絶対的な時間におけるものではなく、このテーマにおける相対的なものであるということです。
例えば、「ちょうど1ヶ月前の1日間に私は何をしていたのか?」というテーマであれば、⑩⑨⑧⑦はその過去の日付の1日間の中での未来の方を差し、③②①⓪は同様にその区切りの中で過去の方を指します。
ところが、⑥⑤④はその1日のお昼あたりというわけでもなく、一番印象に残った濃い出来事が要素として出てくるでしょう。第1章で説明したように、⑥の現在は、テーマにおける目的が完了したところを指すからです。

このように人の記憶と思考は、輪ゴムの一定の部分を切ってその一部を伸ばすように、自在に個性に応じて時間を伸び縮みさせます。
縦軸は要素の種別
次に縦軸を見てみましょう。⑦④①⓪は方向性、⑧⑤②は動き、⑩⑨⑥③は姿の要素が出ています。
姿の要素
姿の要素⑩⑨⑥③を見てみると、自分にも他人にも分かりやすい、自分にとっては当然の要素が出ています。
⑩人前で話せない恥ずかしがり屋を避ける
⑨SF系アニメの話をする
⑥SFショップ開店が夢
③演奏中は前で目立ちたい
姿の要素は、動画を止めて撮影したスナップショットのように、時間的には一瞬のわかりやすい様子をとらえたものです。
これら要素は、他人から指摘されるとあまりにもあたりまえのことすぎて、言い当てられたとしても抵抗感があります。
また、ここには自分が求める姿が描かれますから、納得がいかなければ、なかなか変更できないことが出てきます。
動きの要素
それに対して、動きの要素⑧⑤②を見てみると、姿の要素に比べると比較的柔らかくて、抵抗感が下がりますが、それでも自分からも他人からも納得のいく要素が出ています。
⑧エレキギターを無心に弾く
⑤毎週末の作曲
②小さい頃から表情が暗いと言われるを避ける
動きの要素は、動作そのものをとらえたものであり、時間的にも長く、情報量も他に比べて多くなります。
これらの要素は、他人から指摘されても警戒はしますが、解釈の幅が広くとれるので、そこまで抵抗は感じません。
また、ここは多様な行動が書かれますが、姿にさえ納得すればあっさりと内容を変更できることが出てきます。なぜなら、人は求める姿を実現するために、より効率の良い行動を日々探しているからです。
方向性の要素
最後に、方向性の要素⑦④①⓪を見てみると、他人から見ても、パッと頭には浮かぶものではないのに、自分から見ても言われてみれば納得がいくような要素が出ています。
⑦好きなテーマでは永遠に話せる
④クラシック音楽と近代ロック
①初対面での冷たい目を避ける
⓪作品を認めてくれる人たち
⓪があなたのルーツ、いわば信念であれば、⑦④①はあなたにとって本質をついた真理と言えるでしょう。
その真理はあなたのポリシーでもあり、簡単には曲げることのできない方向性なのです。
方向性の要素には、あなたの考え方を指し示す、時間的には短いにもかかわらず、個性豊かなこだわりが多く含まれています。
また、このよっつの方向性の要素については、自分の奥底に潜むポリシーであるのにもかかわらず、無意識のうちに話し相手などに利用されてしまうと、すんなりと受け入れて言うことを聞いてしまうので気をつけてください。
ですから、意識的に自分の方向性を把握しておくことは、自分の潜在的なモチベーションを理解できるだけではなく、他人の誘導を防ぐことにもつながり、さまざまな場面で強みとなります。
④=サブタイトル、⑤=タイトル
第1章で説明したように、⑥とは橋のちょうど中間にあたる現在の姿、すなわちテーマの答えが出た時点を表します。
⑥は「姿」ですから、その「姿」に、「④方向性=何をもって」、「⑤動き=何をしたら」、「⑥姿=こうなった」のかを考えて、より重要なのは④と⑤であるということでした。
ようするに、書籍に言い換えれば④はサブタイトル、⑤はタイトルとなります。
実際の④と⑤はこうなっていますから:
⑤毎週末の作曲
④クラシック音楽と近代ロック
もしこれが書籍であれば、表紙はこのようになっているでしょう。

もっと自分の個性豊かな表現に調整するとすれば、このような感じでしょうか。

もうお気づきですか?MAGMAチャートを埋めただけで、テーマに関する結論がもう出てしまっています。
④⑤=結論
では、タイトルの⑤とサブタイトルの⑤を文章で表現したらどのようになるでしょうか?
その場合は、過去から未来へと④⑤の順に並べて、自然な文章にするだけです。
④クラシック音楽と近代ロック
+
⑤毎週末の作曲
=
「クラシック音楽と近代ロックを融合して毎週末に作曲する」
人にあなたはどう言う人なの?と聞かれた場合に最も簡潔に答えるには、この結論を使えば良いのです。
「私は、クラシック音楽と近代ロックを融合して、毎週末に作曲に没頭するような人間です。」
テーマ+④⑤=結論付きテーマ
テーマと結論を並べて自然な文章として書けば、簡潔にそのテーマについて説明ができる、「結論付きテーマ」となります。
テーマ「最も自分のことを理解してもらえる自己紹介文の内容とは?」
+
結論「クラシック音楽と近代ロックを融合して毎週末に作曲すること」
=
「最も自分のことを理解してもらえる自己紹介文の内容とは、『クラシック音楽と近代ロックを融合しながら、毎週末に作曲しているような音楽人』です。」
ここでは、自分についてより個性的に表現するために、「音楽人」という言葉を足してみました。
今後も繰り返し言いますが、意味を変えないように、言葉を変えたり足したりして自分にとって最も自然な表現に仕上げていきます。
結論付きテーマは解消法
この例はテーマの種類でいう「定義」でしたが、もしテーマが「目的」や「問題」であれば、ここで書いた「結論付きテーマ」がそのままその解消法として使えます。
問題解消の例については後に学びますから、ここではひとまず観察することを続けます。
ロジックの観察
ここでMAGMAチャートの回路図の種明かしをします。もし仕組みに興味がない場合は、次の章に行ってしまっても構いませんが、理解しておけばそれだけメソッド出力の精度は高くなります。
第1章で学んだように、複数の要素を含む最小のロジックは「複合要素」です。
姿
④
/|\
方向性 動き 姿
① ② ③
実は、この回路図は「過去」、「現在」、「未来」の3つの複合要素を合成した、思考のロジックを再少量で最大限にアウトプットするための構成だったのです。
それらを分解するとこのようになります。
姿
⑩
未来 /|\
⑦ ⑧ ⑨
方 動 姿
姿
⑦
現在 /|\
④ ⑤ ⑥
方 動 姿
姿
④
過去 /|\
① ② ③
方 動 姿
ルーツ⓪
方
下の過去から上へと順に見ていくと、頭になっている姿の要素④と⑦が、そのまま上段の方向性の要素になっているのがわかります。
これらがつながって、理想の「ひとつの複合思考ロジック」の形となっているのです。
では、それぞれの複合要素を文章にしてみましょう。
未来の複合要素
姿
⑩
未来 /|\
⑦ ⑧ ⑨
方 動 姿
⑩人前で話せない恥ずかしがり屋を避ける
⑨SF系アニメの話をする
⑧エレキギターを無心に弾く
⑦好きなテーマでは永遠に話せる
これを、「方向性」、「動き」、「姿」の特徴を元に文章化してみると面白いことが分かります。
「好きなテーマでは永遠に話そう」として、「エレキギターを無心に弾く」と、「SF系アニメの話をする」ことになる、ということが私にとって「人前で話せない恥ずかしがり屋を避ける」の定義である。
他人から見れば意味が少しおかしいことになりますが、分からないこともないですよね?これがこの本人にとって「人前で話せない恥ずかしがり屋を避ける」の個性豊かな定義になっているからです。
同様に残りふたつの複合要素も見てみましょう。
現在の複合要素
姿
⑦
未来 /|\
④ ⑤ ⑥
方 動 姿
⑦好きなテーマでは永遠に話せる
⑥SFショップ開店が夢
⑤毎週末の作曲
④クラシック音楽と近代ロック
「クラシック音楽と近代ロック」を融合しようとして、「毎週末の作曲」をしたら、「SFショップ開店が夢」になる、ということが私にとって「好きなテーマでは永遠に話せる」の定義である。
過去の複合要素
姿
④
未来 /|\
① ② ③
方 動 姿
④クラシック音楽と近代ロック
③演奏中は前で目立ちたい
②小さい頃から表情が暗いと言われるを避ける
①初対面での冷たい目を避ける
「初対面での冷たい目を避け」ようとして、「小さい頃から表情が暗いと言われるを避け」れば、「演奏中は前で目立つ」ということが、私にとって「クラシック音楽と近代ロック」の定義である。
以上3つの複合要素を見ていると、いかに記憶の定義が豊かであるかが分かります。
最初にMAGMAチャートがツリー構造ではなく、回路図であると話したのは、頭で考えるとツリー構造の親子は常識的な分類になりがちだからです。
あなたの頭にある思考のツリー構造は、他人どころかあなた自身も想像がつかない複合要素として存在しています。
それを最も簡単に具現化してしまうのがMAGMAメソッドです。
さて、要素の書き出しと観察はこれで完了です。
まずは、とにかく自分でもさまざまなテーマについて要素を書き出して観察してみましょう。
例えば、このようなテーマで試すのはいかがでしょうか?
- 「私が興味を持つものとは?」
- 「私が好きなのはどのような人か?」
- 「私と〜さんとの関係とは?」
個性豊かな要素が出てきそうで結果が楽しみですね。特に結論となる④⑤は予想外のものが出ますからお楽しみに。
それが終われば次に、頭から出た11要素の使い方に入ります。