- MAGMA理論総論第一編 ー人間の思考の旅ー その1
- MAGMA理論総論第一編 ー人間の思考の旅ー その2
- MAGMA理論総論第一編 ー人間の思考の旅ー その3
「MAGMAメソッド第一編 ー人間の思考の旅ー その1」からの続きです。
「粒子」の部
最小のロジック
さて、ここまでで、人間のロジックが物事の重さ、引力、方向に影響され、右から左へ、そして過去から現在、未来へと動いていることがわかりました。
ここからは、理解を深めるため、ロジックを最小単位にまで分解して掘り下げてみましょう。ちなみにその最小単位のロジックは、既に何度も登場しています。
「~を避ける」と「その裏に隠れた光」、もしくは「~を求める」と「その裏に隠れた闇」がそれぞれ最小のロジックとなります。
最小のロジック
- 「~を避ける」と「その裏に隠れた光」
- 「~を求める」と「その裏に隠れた闇」
これらのロジックが最小であるかどうかを確実に判断するには、「〜」にあたる部分が最小であるかどうかを確認します。
ロジックを構成する最小単位「粒子」
ここでまず、「避けるべきもの」と、「求めるべきもの」の最小単位を「粒子」と呼ぶことにしましょう。宇宙っぽくて良いですね。ここまで「~を避ける」、「~を求める」と表現してきた「~」の部分がそれにあたります。
- 粒子=「避けるべきもの」と、「求めるべきもの」の最小単位
「~を避ける」、「~を求める」の「〜」の部分
粒子とは、この先に説明していくロジックを構成する最小単位です。しかし危険なのは、その粒子が一つの単語であるとは限らないということです。
結論から言ったほうがわかりやすいので、まず例を示しましょう。粒子は、今までの流れの通り都合よく程よい曖昧さと正確さの狭間にあるワードの組み合わせでロジックを構成します。
表現の複雑さは、「(単語)」「〜の〜」「〜な(い)〜」「〜を〜する」「〜が〜」「〜は〜」「~から」「~まで」「〜までに」の形式に限定されます。
粒子の表現形式
- 「(単語)」
- 「〜の〜」
- 「〜な(い)〜」
- 「〜を〜する」
- 「〜が〜」
- 「〜は〜」
- 「~から」
- 「~まで」
- 「〜までに」
なぜ、単語だけではなく中途半端な組み合わせもあるのでしょうか。先述の「正確さと曖昧さの狭間」、「曖昧さで境目を見つけて絞り込み、正確さを見つける」の方式を適用し、「〜」の範囲を狭めていけば、日本語に関しては言語的にこれらの形式に収まるはずです。
たとえば、「〜」が「赤い靴」となった場合に、それが粒子として正しいかの判断は、粒子の外側から見て「これは自分にとって赤い靴以外を取り除いたときに残るものか?」と、境目から見て「これは赤かどうかわからない靴を取り除いたときに残るものか?」の二つを自分に問えばよいのです。そうして、「赤以外の靴も、除くべきだった」、且つ「赤かどうかわからない靴も、除くべきだった」と感じれば、正しい粒子は「赤い靴」ではなく、「靴」となります。

ここでの罠は、実は「靴」だけではなく、「赤」自体が重要なロジックの粒子で、無意識に「靴」と紐づけてしまっている場合がある点です。その場合の確認方法は簡単で、単純に「赤は大事?」と自分に問えば答えが出ます。
では、あらゆる事項について「〜は大事?」、「〜を除いたときに何が残るか?」と自分に問いを投げかけて次々に分解していくと、最後には何が残るでしょうか?それは「生きる」です。以上から、人間にとって一番重要で最小のロジックは「生きることを求める」となります。
粒子内の過去と未来
ロジックは過去、現在、未来を表すということでしたから、最小のロジックの要素となりえる粒子自体にも、過去と現在、未来があるはずです。
ロジックの流れる向きでは、避けるべき過去が右、行動すべき現在が中央、求めるべき未来が左でしたから、粒子においても、闇は現在から見た過去、隙間は現在、光は現在から見た未来を指しているはずです。ということは、星の旅でいう「ボヤッとした中途半端な星」にあたる部分は、現在の意思決定を表すことになります。

過去は変えることができず、未来は不確実ですが変えることができます。そのため、一番重要なのは、確実に変えることができる「現在の行動」だということになります。粒子もロジックも先に進むためには「隙間や境目となる現在」が一番重要だということが感覚的にわかります。
粒子の計算式とロジック
- 計算式=ゴールにたどり着くために明るい星々だけを示す星図・地図
- ロジック=ゴールまでのナビゲーションルート
宇宙の旅で発見できた計算式とロジックの概念は、最小のロジック要素となる粒子自体にも存在します。過去に向かうための地図としての役割と、未来に向かうためのナビゲーションとしての役割です。ロジック=ナビであり、ナビは地図を前提にしているため、ロジックを構成する最小単位である粒子にも地図としての役割があります。
- 過去に向かうための地図としての役割・・・計算式
- 未来に向かうためのナビゲーションとしての役割・・・ナビ

では、「過去」や「未来」に向かうためと簡単に書いてしまっていますが、向かっているのは誰でしょうか?正解は「粒子」ではなく、「あなた」です。
あなたがごく簡単な最小の決断をするときに、この粒子が意思決定とその後のショートカットに貢献します。二つの役割を捉えておけば、今後の理解がスムーズになります。
まず計算式、すなわち過去に向かうための地図としての役割を見てみましょう。スタート地点は隙間である「現在」です。
「好きな人を求める」というロジックの粒子を例にしましょう。粒子の過去と未来の説明では、理解を優先するためルールを無視してわかりやすい話し言葉で書きました。ここでは厳密に粒子に限定して見直します。
計算は左から右に行います。
まずは粒子の光(求めるべき未来)と闇(避けるべき過去)について。
- 光「好きな人を求める」 闇「好きな人以外を避ける」
結果として好きな人に出会えたこととします。ゴールの星に到達している状態なので、答えから計算式を導き出す手順を使います。
- 「好きな人を求める」 + X = 「好きな人に出会えた」
Xを求めよ。単なる足し算の一次方程式です。この場合、あなたはどうやって好きな人に出会えたかもう知っていますから、Xはこうしておきましょう。
- X = 「好きな人に出会えた」 ー 「好きな人を求める」
- X = 「行きつけのカフェ店員」
これであなたの計算式=地図ができました。
- 「好きな人に出会えた」地図=「行きつけのカフェ店員」
結果がわかっていれば、このように地図を簡単に作ることができます。出会う前は、あらゆるものを避けたり、求めたりして前に進んでいましたが、一旦出会えば、単に「行きつけのカフェ店員」という道しるべだけで「好きな人に出会えた」という結果にたどり着けます。
しかし、地図はゴールにたどり着いたことがなければ作れません。
次にロジック、すなわちナビゲーションとしての役割を見てみましょう。スタート地点は、闇である「過去」です。ナビゲーションは右から左に行います。
基本のナビの流れ
- 未来の光←現在←過去の闇
基本のナビの流れに当てはめる
- 「好きな人を求める」←現在すべき行動←「好きな人以外を避ける」
過去から歩いてきて、未来の「好きな人を求める」自分に向かって、現在どうすべきかを考えている状態です。
まだゴールの場所を知らないため、「現在すべき行動」は無限に存在します。しかし、一旦「好きな人を求める」ことにたどり着けば、何をすべきかがわかります。
- 「好きな人を求める」← X ←「好きな人以外を避ける」
Xを求めよ。
- 「好きな人を求める」←「カフェへ行く」←「好きな人以外を避ける」
- X = 「カフェへ行く」
これであなたのロジック=ナビゲーションができあがりました。
次に、計算式とロジックを比較してみましょう。
- 計算式=「行きつけのカフェ店員」
- ロジック=「カフェへ行く」
ここからもわかるように、
- 「行きつけのカフェ店員」=道しるべの書かれた地図
- 「カフェへ行く」=取るべきルートのナビゲーション
を表していることがわかりました。

もし、あなたがアメリカ人であれば、「好きな人とどうやって出会ったの?」と聞かれたら、「彼女は行きつけのカフェの店員だったんだ」や「彼女は行きつけのカフェで働いていたんだ」と答えるほうが自然に聞こえるでしょう。日本人であれば、「彼女とはカフェで出会ったんだ」や「去年カフェに行ったとき、そこで働いていたんだ」と答えるほうが自然に聞こえるはずです。
時間が歪まない限りは、地図が完成しないとナビゲーションを作ることができないのが現実です。このような、たった一つの粒子から導き出されるロジックでは、答えを求めるのが困難であることがわかるでしょう。なぜなら、「現在」という時点から進むことができる方向が無限にあるからです。
人間が答えを出す場合、そのほとんどのロジックが集合した複数の粒子でできており、様々な粒子の引力にヒントを得て答えまでたどり着きます。
MAGMAメソッドは、最初には地図が見えなくとも、できるだけ効率の良いナビゲーションを自分で見つけ、普段よりも早く正確な地図を作るための手法です。
面白いことに、ここでの計算に必要なのは足し算と引き算だけです。実は、この先もずっと足し算と引き算しか使いませんので安心してください。よくよく考えれば、人間が複雑な演算などしているはずもありませんね。もしそれができていれば、皆数学の天才になってしまいます。
粒子の表と裏の正体
粒子の闇と光が過去と未来ならば、次に気になるのはその粒子の裏と表です。そして何故人間は、闇と光の表のことだけを思い浮かべるのでしょうか?
私は、粒子の表裏に対して、鏡ではなく、まるで水面に何かを映したときのような感覚を覚えました。鏡であればそのまま映るのに対して、水面では色や角度が変わります。そこにヒントがありました。裏は自分の考えを水面に映したものです。冷静に考えると、左右が反転しています。
そこで今回は、粒子をロジックとしてではなく、あくまでもロジックを構成する最小因子として見直し、粒子の動きを自分に重ね合わせたところ、粒子への理解がより深まりました。
水面を見るのは、自分の顔すなわち過去の経験を見るためです。そして、水の中にいる自分からすると、それは未来の自分が成す結果を見ていることになります。これが表と裏の関係でした。
- 粒子の裏を見る = 水面に映る自分の顔を見る = 過去の自分の経験を見る
- 粒子の表を見る = 水の中から自分の顔を見る = 未来の自分が成す結果を見る
粒子の「闇と光」は、過去から未来への絶対的な時間の流れを示していました。それに対して「裏と表」は、あたかもタイムスリップするかのように未来と過去のどちらかに移動して、未来に向かおうとしている現在の自分と比較して役立てる仕組みです。未来を良くするために、違う時間帯にいるニ人の自分を比べるのです。
本来は闇か光の一方だけでも最小のロジックとなり得ますが、わかりやすくするために闇と光の両方を並べて、段階的に粒子の表と裏を解明していきます。
- 裏「〜以外を求める光」|「〜を避ける闇」 表
- 表 「〜を求める光」|「〜以外を避ける闇」裏
今までは、表から裏を導く際に「〜以外を」とつけて、さらに「避ける」と「求める」をひっくり返しました。それを元に戻して、未来と過去の視点を加えた表現に書き換えてみます。
- 「闇の表」:
- =「過去の闇」(現在において、過去を見て動く)
- =「過去を見て、未来のために〜を避ける闇」
- 「闇の裏」
- =「過去における未来の光」(過去において、未来を見て動く)
- =「未来を見て、過去のために〜を避けていた光」
- 「光の表」:
- =「未来の光」(現在において、未来を見て動く)
- =「未来を見て、未来のために〜を求める光」
- 「光の裏」:
- =「過去の闇」(過去において、過去を見て動く)
- =「過去を見て、過去のために〜を求めていた闇」

「未来にとっての過去」は「現在」であり、「過去にとっての未来」は「現在」ですから、その2カ所を書き直します。また、未来に行くことが想像しにくいですので、表現を調整します。
- 「闇の表」:「過去の経験から、現在避けていること」
- 「闇の裏=光」:「過去を振り返ってみて、現在のために避けようとしていたこと」
- 「光の表」:「現在から未来を想像してみて、そのときに実現しておきたいこと」
- 「光の裏=闇」:「過去を振り返ってみて、それよりも前から求めていたこと」

これで、粒子の表裏の正体が判明しました。
結果を見ると、表と裏を同時に考えられないのは当然です。未来と過去に同時にタイムスリップすることは不可能だからです。
「裏」の存在は無駄ではなく、意識から外れている訳でもなかったのです。単に、表と裏は表裏一体であり、心の中ではそっと表に寄り添う形で、未来の予想や過去の経験から「表」の思考の軌道修正を支えていたのです。
- 表と裏は表裏一体
- 「裏」は、「表」に寄り添う形で、未来の予想や過去の経験から「表」の思考の軌道修正を支えている
粒子の表と裏を聞き出す方法
粒子とその重要性を引き出す質問方法を作っていきましょう。先ほど導き出した答えを、「表裏」の正体を聞き出す形に文章を書き換えるだけです。
先ほどの答え
- 「闇の表」:「過去の経験から、現在避けていること」
- 「闇の裏」:「過去を振り返ってみて、現在のために避けようとしていたこと」
- 「光の表」:「現在から未来を想像してみて、そのときに実現しておきたいこと」
- 「光の裏」:「過去を振り返ってみて、それよりも前から求めていたこと」
書き換え
前提
- 「元」:前章で判明した「闇」と「光」における「表」と「裏」の正体を指します。
- 「粒子」:「粒子」を自分や他人から引き出す質問の仕方を指します。
- 「重要性」:そこで引き出した「粒子」の重要性を聞き出す質問の仕方を指します。
- 闇の表
- 元「過去の経験から、現在避けていること」は何?
- 粒子「過去の経験から、今避けたいことは何ですか?」
- 重要性「過去の経験から、今〜を避けることはどれくらい重要ですか?」
- 闇の裏
- 元「過去を振り返ってみて、現在のために避けようとしていたこと」は何?
- 粒子「過去を振り返ってみて、現在のために避けようとしていたことは何ですか?」
- 重要性「過去の自分を振り返ると、そのとき〜を避けることはどれくらい重要でしたか?」
- 光の表
- 元「現在から未来を想像してみて、そのときに実現しておきたいこと」は何?
- 粒子「自分の将来を考えると、そのとき実現しておきたいことは何ですか?」
- 重要性「自分の将来を考えれば、そのとき『〜を求めること』が実現しているのはどれくらい重要ですか?」
- 光の裏
- 元「過去を振り返ってみて、それよりも前から求めていたこと」は何?
- 粒子「過去を振り返ってみて、その前から求めていたことは何ですか?」
- 重要性「過去の自分を振り返ると、その前から『〜を求めること』を実現しようとしていたのはどれくらい重要でしたか?」

これで、粒子とその重要性について聞き出す質問方法は完成です。今までは粒子の「表」を聞いてからでないと「裏」の答えを導けないと考えていたのが、この方法が完成すると必要あらば「裏」を直接聞き出すことができることがわかりました。
粒子の隙間の正体
残るは粒子の隙間の正体です。こちらも、ここまででわかったことをまとめてみましょう。
- 光と闇の隙間が中途半端に開いているということ。
- ロジックを紐解くために隙間が重要であるということ。
- 粒子の隙間は現在を指すということ。
- 現在の意思決定において方向を決めるために隙間が重要であること。
まず、粒子の光と闇には表と裏がありました。ここまで省略してきましたが、「表裏」を考慮すれば、光にも斥力が、闇にも引力が当然存在します。注目すべきは、「表裏」を考慮した上でその「闇」と「光」が釣り合ったときです。
この釣り合った状態を、動く粒子自体として、そして最小のロジックとしての二つの視点から見てみれば、隙間の正体がはっきりします。
まずは未来に向かう粒子の立場から見ていきましょう。
未来に進む粒子はあなたと同じです。スタート地点から未来の光に向けて進むのが目的ですが、ここで一つ大きな問題があります。前の光と後ろの暗がりを同時に判断するには、暗がりよりは明るく、明るみよりは暗い場所にいなければ、そのどちらかを見失い、方向がわからず第一歩を踏み出せなくなります。しかも、最も明るいところと最も暗いところが判断できなければ進むべき方向が狂ってしまいます。ということは、スタート地点は必ず最も暗い場所と最も明るい場所の丁度中間地点でなければなりません。
しかし、光の側が全て均等に最大に明るく、闇の側が均等に最大に暗い、オセロのような状態だとスタート時に方向が見えません。まるで、午前が全て真昼で、午後が全て真夜中のような状態では、人間はいつ眠れば良いかわからないのと同じです。
よって、光と闇と隙間が釣り合った状態こそが、現在においてスタートを切ることができるということです。言い換えれば、粒子としては闇と光が釣り合っていない状態では、勝手に前後に引っ張られるだけで、自分で正しい方向にスタートが切れないということです。スタート地点は必ず前後が壁で、左右への移動からスタートして、次の曲がり角に向かうという訳です。
すなわち、粒子にとって隙間は、闇と光と合わせてバランスがとれた状態に限り、スタート地点だけで使える、どちらに曲がるかを教えてくれる転換点、すなわちターニングポイントだということです。真っ直ぐ進め、と書いてあるのは道しるべではなく、道路でも見られる距離標、すなわちマイルストーンのみです。知らない交差点で一旦止まって、標識の左右の行き先を見る、これが粒子の隙間での行動そのものです。
- 粒子にとっての隙間=闇と光と合わせてバランスがとれた状態に限り、スタート地点だけで使える「転換点」
次に、自分の時間としてではなくロジックの立場から見てみましょう。時間の流れは過去から現在、未来へと流れており、未来への道筋を示す際には、必ず中間地点として現在を通過します。しかし、そこで一つの問題に直面します。
ロジックは実際にはパックマンの形ではなく、縦に割った左右が闇と光でした。ということは、光と闇が全て埋め尽くされるほど詰まっていれば、全く左右には動けません。その一方で、隙間が開きすぎていると逆に前後の方向を見失います。よって、この場合も光と闇と隙間が釣り合っている状態が、唯一正しい左右の方向を示してくれる状態だということです。
地図のナビゲーションのことをイメージしてみてください。ゴール地点に直線距離で行けたらそれに越したことはありません。また、「ここで前方以外のどちらかに動いてください」と言われても困ります。ロジックもそれと同じです。粒子の隙間は、ロジックにとって、ここの建物は突き抜けられないので避けろという明確な回避ポイントなのです。つまり、ロジックにとって現在とは、必ず前方以外の方向にルートを設定するポイントなのです。
- ロジックにとっての隙間(現在)=必ず前方以外の方向にルートを設定するポイント
以上で、未来に向かう粒子と最小ロジックとしての両方の立場から、闇と光と隙間のバランスがとれた場合の隙間の正体がわかりました。どちらにとっても、直進以外の方向に進まねばならない現在を表していたのです。
- 闇と光と隙間のバランスがとれた場合の隙間 = 直進以外の方向に進まねばならない現在

では、闇と光が均等ではない、隙間が大きな粒子や小さな粒子についてはどうなるでしょうか?
もし均衡が崩れていれば、粒子にとってもロジックにとっても前後のバランスが崩れていますから、たとえ上下左右に動く選択肢があったとしても、自然と前進か後退をしているはずです。
その状態はおおよその方向を指し示してはいますが、曲がる方向は教えてくれませんし、引力で勝手に動いてしまっています。言い換えると、闇と光の均衡が崩れている粒子に関しては、既にその隙間は光の引力か闇の斥力の仕事をしてしまっています。
闇と光の均衡が取れていない粒子の隙間の正体も、粒子とロジックの観点から明確にしておきましょう。双方に共通するのは、壁にぶつかった際に逸れるための逃げ道を指し示しているという点です。
粒子の立場からは、地図に例えると、闇と光の均衡が取れていない粒子の隙間は、行き場がなくなった際に避ける方向を指します。避けるべきいびつな建物の形を教えてくれます。
ロジックの立場からは、ナビゲーションに例えると、闇と光の均衡が取れていない粒子の隙間は、斜めに分岐する道のどちらが正しいルートかを教えてくれます。すなわち、現在地点で取るべき最適な選択肢を教えてくれます。
闇と光の均衡が取れていない粒子の隙間
- 粒子の立場・・・行き場がなくなった際に避ける方向を指す
- ロジックの立場・・・斜めに分岐する道のどちらが正しいルートかを教えてくれる

この場合の隙間は、前後の引力のバランスが崩れていますから前進か後退をしており、その逃げ道は粒子の「表裏」を聞き出す質問の答えに含まれています。
言い換えると、表と裏の質問をしただけでは、現在の意思決定に最も重要な中途半端な粒子を取りこぼしてしまうことになります。
均衡が取れた粒子を聞き出す方法
後は、最も均衡がとれた粒子について聞き出すことができれば、ロジックの全種類の粒子を揃えることができます。
粒子の立場から隙間の正体を探るには、自分が粒子の立場で現在というスタート地点に立って考えることが近道でした。ですから、スタート地点に立った際の状況を聞き出せば、それが隙間を知るための質問につながるはずです。
したがって、粒子が前後に全く引っ張られていない状態を想定すれば良いということになります。そこまでわかれば質問は簡単です。前にも行けず、後ろにも行けず、上下左右のどちらに動くかを考えている状態です。質問文はこれだけで良いことになります。
- 「あなたが今、『求めること』や『避けること』について悩んでいることは何ですか?」
あまりにも単純すぎますが、ここまで来れば、如何にこの質問が現在の意思決定において最も重要な隙間を聞き出すのに効果的であるか、理解していただけるはずです。
しかしこれだけだと実際に悩んでいることについてなので、意識しているにも関わらず意識の表層に現れてこない狭間にある重要な粒子を取りこぼしてしまいます。
そこで、あえて表層に浮かび上がらせる質問をすることによって、それらを強制的に聞き出す方法を考えてみました。
- 「あなたが今、求めることを考えたとき、邪魔になることは何ですか?」
前に進もうとしたときに邪魔をするため、こう質問するのです。ですが、まだピンと来ません。そこで、質問を正確さと曖昧さの狭間にもっていきましょう。
- 「あなたが今、求めようとすると要らないかもと思ったり、避けようとすると要るかもと思ったりすることはなんですか?」
挟み撃ちにして境目を質問しています。しかし、これではややこしいのでもう少し整理します。
- 「あなたが今、欲しいかどうか迷っているものは何ですか?」
結果的にこれだけで済むことがわかりました。先ほどの文章と並べてみましょう。
- 「あなたが今、『求めること』や『避けること』について悩んでいることは何ですか?」
- 「あなたが今、欲しいかどうか迷っているものは何ですか?」
似ているようで質問内容は全く違いますが、二つを組み合わせて簡単に一つに統合できます。
均衡が取れた粒子を聞き出す方法
- 「過去に欲しいと思っていたことで、今どうでも良いかなと思うものは何ですか?」
不思議なことに、これだけで全て聞き出せてしまいます。現在地点で避けたり求めたり悩んだりすることは、過去の経験から来ます。一旦悩むということは、過去の重要性が高いからです。また、「避ける」という表現なしに闇側も聞き出せます。過去に欲しいと考えていないと、その後避けるかどうかも考えられませんから、結果として、欲しいかどうかや避けようか求めようか迷っていることの両方を、これだけで聞き出すことができます。
これがまさに、人が今、重要かどうかわからなくて困っている状態を指します。言い換えれば、現在の悩みが、あなたの明日の方向を決める最も重要な粒子であるということです。
一見全て似通った文章に見えますが、こうして私が答えを見つけた手順を追うことによって、少しでもニュアンスを変えたら正しい答えが返ってこないとわかるはずです。自分の言い方にアレンジするのは良いのですが、意味を変えてしまわないように、文章を変換する手順は省略しないことをお勧めいたします。
隙間が大きい粒子
隙間が大きい粒子とは、表も裏も非常に細く弱い粒子です。古い例を復活させますと、ガリガリに痩せたパックマンです。そのときに少し触れましたが、この弱い粒子は後ろ向きに進んでしまいます。何故でしょうか?

それは、もっている重要性が弱すぎて、向かうべき未来の希望が少なくなりすぎて、恐怖のあまり後ずさりをしてしまうからです。
かなり重要性が低い例を見てみるとわかりやすくなります。あなたが英語を勉強していたところ、完璧にマスターしてしまったり諦めたりして、全く違うことに興味を抱くようになり、もう英語への関心がなくなってしまった状態を想像してください。英語の重要性はどうなっているでしょうか?
「英語を求める」=全く重要ではない
「英語以外を避ける」=全く重要ではない
これは非常に細くて軽い粒子となります。するとどうでしょう?過去に求めていた「英語」を目の前にしたとき、もはや飽きて遠回りすべきものでしかありません。
普通の壁なら左右に避ければ良いことになりますが、この場合におけるロジックの壁はほとんどの方向が塞がっています。なぜなら、力が弱まるとあなたが弱者になり、パックマンに食べられる立場になるからです。左右に逃げると敵に接触します。残る方向は後方のみです。
これを重要性の観点から見れば完璧に理解できます。「重要ではない」とは、「重要」なものを目指す道の障壁となります。よって、隙間が大きい粒子は、必然的に後ろ向きの力、すなわち現在からの斥力が働き、後ろ向きに進んでしまいます。均衡が取れた状態から少しでも重要性が弱まってしまうと、ロジックが変化した結果として進行方向が逆転してしまうのです。
しかし、言い方を変えれば、隙間が大きい粒子は、地図上においては前に進むべきではない道しるべを、ナビゲーションにおいては折り返すべきポイント・行き止まりを教えてくれる重要な粒子となります。
この粒子は、表と裏を聞き出した際にそこに含まれている粒子です。
隙間が大きい粒子
- 地図上において・・・前に進むべきではない道しるべを教えてくれる
- ナビゲーションにおいて・・・折り返すべきポイント・行き止まりを教えてくれる
- 表と裏を聞き出した際にそこに含まれている粒子
隙間のない粒子
最後は、隙間のない一番重い粒子についてです。こちらも、表と裏を聞き出した際に含まれている粒子です。その特徴を見てみましょう。
時間軸を見ると「現在」と「過去」があるにも関わらず、「現在」という瞬間的な時間の長さが存在しないことになります。他の粒子への理解がないと時間的な感覚を把握しにくいため、解説を最後に回しました。

ロジックと計算式の両方から見てみましょう。
まずロジックにおいて、現在が存在しないということは、そのまま時間0で通過するということです。最も重い粒子は、未来へと進む力が一番強いものとなりますが、現在においてはそのまま直進してしまうため、現在の意思決定の改善には役に立ちません。
例えば、ほとんどの人の場合「死を避ける」というロジックの粒子は体重が最大です。現在も過去も、死を避けてきたからです。
このロジック一つでは、現在をどう生きるかの判断材料にはなりません。まっしぐらに、死なないことを求める未来に向かって現在を突き抜けます。このロジック内では、現在地点を通り抜ける瞬間に脇目も振らず真っ直ぐ前を向いているのです。
次に、一つの計算式として見てみましょう。計算式においても、現在をスルーしてしまいます。したがって、「死を避ける」から現在地点の行動の計算式を求めると、「解なし」と出てしまいます。何故なら、他の様々な粒子がこの裏に隠れていれば、それらを使って「死を避ける」ための地図が作れますが、「死を避ける」のみでは道しるべの作りようがないため、「答えようがない」となってしまうのです。
要するに、隙間のない粒子は、進むべき方向を強く指し示してくれますが、そこに行き着く方法を紐解くには、何の役にも立ってくれないということです。そもそも、現在にあるスタート地点に立つことさえできません。
しかし、これは最も重い粒子です。重いということは前進する力が一番強いことを意味します。前進する力が強いということは、この隙間のない粒子なしには希望をもつことができません。ここまででわかったのは、希望と行動とは、同時にもちますが分離して考えたほうがうまくいくということです。
隙間のない粒子
- ロジックにおいて
現在地点をスルー、真っ直ぐ前を向いている、現在の意思決定の改善には役に立たない
- 計算式において
現在地点をスルー = 現在地点の行動について「解なし」、進むべき方向を強く指し示してくれるが行き着く方法については役に立たない
- 最も重い粒子 = 未来へ向かう力・前進する力が最大 = 希望をもつためには必須の粒子
人は悩むと、原点に立ち返るということをしたくなります。しかし、そのときはこういった大きなテーマ、「希望」についてのみを考えるということは避けるべきです。前を向くことしか教えてくれません。そういったリセットをしたい場合でも、まずスタート地点に立って、「希望」を考えた後は一旦それを横に置いて、「行動」についてできるだけ細かく考えたほうが、最初の一歩の方向を決めやすくなります。
ロジックの要素
以上にて、粒子の種類とその中身の全てが判明しました。しかし、ここまで「要素」という単語を軽々しく使ってきたことがこれからは問題になりそうですから、この際その定義をはっきりさせておきましょう。今まであえて揺らぎをもって「要素」を使ってきましたが、今後は、ここで定めた定義に限定することにします。
要素について紐解くために、先ほどの学校の例をもう一度取り上げます。
「学校に行くことを求める」裏には、「親友と会う」、「部活」、「好きな美術の授業」という光がありました。
粒子だけに絞ると、「学校」、「親友」、「部活」、「美術の授業」となります。
ここでよく考えてください。「親友」と「部活」と「美術の授業」は「学校」の裏に隠れていました。強く意識していた「学校」という強い光の、重く引力の強い粒子の裏にあった、光が弱く軽い粒子だということです。
「親友」と「部活」と「美術の授業」は「学校」を親の粒子として初めて存在する、そこに属する子の粒子となります。

この親子関係がわからない場合は、軽い粒子から見ると、どこに属しているのかは感覚的にすぐわかります。例えば、一見「親友」が独立した粒子だと思っていても、「学校」側から見ればそれが子の粒子かどうかはわかりにくいですが、「親友」から見るとそれより強い「学校」に属していた、ということがすぐにわかります。
すなわち、必ず意識が強い粒子を親として、弱い粒子が子供になりますから、重さが軽いものから重いものへと線を引けば、親子関係を全て把握できるということです。
もう一つ、親子のつながりを確実に確認する方法があります。二つを同時に見るのです。その上で、次の質問をすれば一発で親子関係の有無がわかります。
- 「学校」と「親友」で最近重要になったのはどちらですか?
こうすると、実際には重要性が高い粒子のほうが後で重要になっています。なぜなら、人は小さなことを先に重要と考え、その後にそれを包む大きなトピックを重要と考えて、後者が表に出てくるからです。
しかし、これだけでは関係がないことを答えるには難しいので、関係がないことを答えられる質問と並べてみましょう。
- 「学校」と「親友」で最近重要になったのはどちらですか?
- 「学校」と「親友」は二つで一つですか?
二つの質問を統合すると、極めてシンプルな文章に落ち着きます。
- 「学校」か「親友」のどちらかが先になくなった場合、あなたにはどんな影響が出ますか?
人間は、必ず先に親子の親側を切り捨てます。よって、「重要ではなくなる」と困るほうが「子」となります。二つに親子関係がある場合、実際には自分から向かって前方に「子」と「親」とを重ねて見ています。それは何故でしょうか?「子」と「親」というロジックを検証する際は、ゴール地点である左から右を見ているからです。
ちなみに、この理屈だと日本語では「親子」と書くより、「子と親」と書くほうが自然に聞こえます。
子と親の二つを同時に見ると重なった部分は見えませんので、学校は「親友」と「親友を含まない学校」にわかれて見えます。そうすると「学校」を捨てても「親友」は残ります。先に捨てられるのは、広い範囲のぼやけた粒子からです。この概念で、どちらが「親」かがわかります。
そして次に、どちらにも親子関係がない場合は、どちらが先に重要性が下がろうと互いに関係がありませんので、「影響がない」もしくは「どちらが先になくなっても困る」と答えます。
あらためて、要素の親子関係の確認方法をまとめておきましょう。
要素の親子関係の確認方法
- 「AかBのどちらかが先になくなった場合、あなたにはどんな影響が出ますか?」
- 先になくなると困るものがあると答えた場合は親子関係があり、それが「A」のときには「B」が「親」、「A」が「子」となる。
- 「影響がない」、もしくは「どちらが先になくなっても困る」と答えた場合には、「A」と「B」には親子関係がない。
ここで注意が必要なのは、重い軽いに関係なく、独立していて親も子もいない粒子が存在しますから、無理矢理に親子関係を紐付けるのは危険だということです。
ロジック要素の階層
これでロジック要素内の粒子の親子関係が判別できるようになりました。では、その親子関係は何層まで重なるのでしょうか?
答えは、「ニ層まで」です。「親子」はあり得ても、「親子孫」という関係はありえません。
何故なら、人間は物事を考えるときに、右から左へロジックが流れる中で、斜めに分岐する「前」と、その先にある「左」の二手を考えます。それ以上は、右と左の選択の組み合わせか繰り返しです。一度には、何事も二択で考えます。言い換えると、同時に二つ以上のことは考えられないという訳です。

もし、「親子孫」という関係が思い浮かんだとしても、「親子」と「子孫」という二つの関係、もしくは「親子」と「親孫」という二つの関係を組み合わせているだけです。そのことを証明してみせましょう。
あなたの知り合いのAさんの家族を思い浮かべているとします。
- 親Aさん、子供Bさん、孫Cさん。
このとき、それぞれの登場人物を関係で表してみましょう。
- Aさん=本人
- 子供Bさん
- =「Aさんの子供」
- =「Cさんの親」
- 孫Cさん
- =「Aさんの子供であるBさんの子供」
- =「Aさんの孫」
- =「Bさんの子供」
この中で一つおかしいものがありますね。「Aさんの子供であるBさんの子供」です。普通物事の関係を考えたとき、間にもう一つ要素が挟まると不自然に感じます。粒子間の親子関係は必ず一本の途切れない線で結ばれるものであり、それ以外は分解すべきです。
さらにわかりやすく書き直しますと、「Aさん」ー「Bさん」や、「Aさん」ー「Cさん」、「Bさん」ー「Cさん」はあり得ても、「Aさん」ー「Bさん」ー「Cさん」というのはあり得なく、たまたま「Aさん」ー「Bさん」と「Bさん」ー「Cさん」二つの関係を繋いだだけになります。
それでも三層はあり得ると思われるかもしれませんね。実はここでも、それがあり得ないことを証明するために、最小のロジックの粒子を判別した方法が使えます。今回手順は省略しますが、その手法で考えると最小のロジックの塊は、必ず二階層の関係をもったツリー構造に収まります。是非お試しください。
さて、学校の例に戻ります。見ていく要素はこのようになります。
- 学校━┓
- ┗親友
- ┗美術の授業
- ┗音楽の授業

学校を親として、学校から派生する自分にとって重要な要素を子としてあげていきます。このとき、親にぶら下がる子の粒子の数は必ず三つになります。これは、選択肢がゼロになることを避ける保険です。人間は必ず、二つのことを考えて一つを捨てる二択しか考えられません。二つであれば、二つを同時に考えたとき、そのどちらも重要性がなくなった場合に選択肢が一つであると同等になってしまい、分岐が一つになると、その通過点は必要ないということですから、それ自身も消えてしまいます。この事態を避けるために、三つ目まで用意するのです。
もし、どう考えても二つの粒子しか思い浮かばない場合は、自分にこう問えば必ず三つ目が浮かび上がります。
- 「『親』のことを考えると、もし『子A』と『子B』の両方が消えてしまうとしたら、次には何を大事なものだと感じますか?」
それでも出ない場合は、子の粒子を消してしまってください。また、どう考えてみても一つしか思い浮かばない場合は、独立した粒子として残してください。
今後は、これら粒子の最小の集合体を明確にロジックの「要素」と呼ぶことにします。もし粒子を原子に例えるのであれば、要素は分子の様なものです。では何故、それぞれを原子や分子と呼ばないのか。その理由も後ほどわかります。
- 粒子の最小の集合体=ロジックの「要素」
ここでも注意が必要です。要素は、複数の粒子の集合体であるとは限りません。先ほどの、どこにも線が引けず、軽くて引力の弱い粒子が一粒だけの要素もあります。また、どこからも線が引けず、重くて引力が強い粒子が一粒だけの要素もあります。
すなわち、ロジックの集合体の最小単位である要素は、独立した粒子と、強い粒子の下に弱い粒子が三つぶら下がった集合体の二種類があることになります。

ここでは、粒子が単体か集合体かに関わらず、要素の中で親となる粒子、もしくは独立して要素となる粒子のことを「メイン粒子」と呼ぶことにします。学校の例における要素では、「学校」がメイン粒子となります。これが後ほど重要になってきます。
原子性と質量
冒頭で出てきた「原子性」という言葉。これは非常に難しいテーマなのですが、できるだけ簡単に説明してみましょう。
問題と解決との間にある「解決方法」がロジックでした。答えが出ていないときは、途中で失敗したり、挫折したり、結果として時間が掛かったりして、ゴール地点にたどり着けていないということでした。
では、解決した後はどうでしょうか。宇宙の旅の例で言えば、星図もルートもわかっていますから、ワープして一瞬で瞬間移動して行き来ができます。
一旦ゴールした場合は、星図=計算方法とルート=ロジックの両方があれば間違うことがなく、ストレスも少なくゴールにたどり着けるということです。
原子性とは、因果の「因」=問題と「果」=解決があったとき、その距離はゼロで、途中で失敗することがあり得ないことを指します。

言い換えると、ある問題と解決方法が存在するとき、正しかろうが間違っていようが百パーセント答えが出ている状態を指します。
ここまで説明した上で、もう少し難しい定義を書いてみましょう。
「コンピュータで計算処理をする際に、
- 取引に含まれる全ての手順が完了する。
- もしくはどの手順も全く行われていない。
のどちらかを保証することをいう。」
たとえば、「AさんがBさんから電子マネーで100円のガムを買う」という処理があるとします。そんなにコンピュータに詳しくない人が考えると、この取引は、
- 「AさんがBさんから電子マネーで100円のガムを買う」という目的を入力。
- 「AさんがBさんに100円を支払った。」
- 「BさんがAさんにガムを渡した。」
- 「取引が終了した。」
という処理をしていそうに見えますが、コンピュータ上での実際は以下のようになっています。
- 「AさんがBさんから電子マネーで100円のガムを買う」という目的を入力。
- 「Aさんの残高が他の取引に触られないようにロックした。」
- 「Aさんの残高から100円を減らした。」
- 「Aさんの残高のロックを外した。」
- 「Bさんの残高が他の取引に触られないようにロックした。」
- 「Bさんの残高に100円を足した。」
- 「Bさんの残高のロックを外した。」
- 「Bさんのガム在庫が他の取引に触られないようにロックした。」
- 「Bさんのガムの在庫を一つ減らした。」
- 「Bさんのガム在庫のロックを外した。」
- 「Aさんのガム所有数が他の取引に触られないようにロックした。」
- 「Aさん所有のガムを一つ増やした。」
- 「Aさんのガム所有数のロックを外した。」
- 「取引が終了した。」
つまり、本来は一つの取引であるはずが、実際は四つの取引と八つのロック処理を合わせた集合体なのです。すると、この2,3,4の途中でコンピュータが止まったり壊れたりした場合はどうなるでしょうか?
そうです。取引が完了しません。しかも、お金やガムの所在が宙ぶらりんになってしまいます。それどころか、ロック処理の前後の中間でコンピュータが止まってしまえば、在庫数さえおかしくなるかもしれません。
それら取引の途中で壊れてしまう可能性があることを「原子性がない」と呼ぶのです。これは、一つ一つの処理を順序立てて、一つ一つ済まさねばならないというコンピュータの原理によって発生する問題です。逆に原子性がある場合は、上の1番を入力すれば、必ず1番に留まるか14番に到達することを指します。
現在のところ、厳密に取引の原子性を解決するには「ブロックチェーン」という技術が有効ですが、それについてはまた全く違う機会に説明の場を設けることにします。
では、もう一度私たちがここまで見てきたロジックに照らし合わせて、「原子性」というものを見直してみましょう。
古い例を復活させて、最小のロジック単位を例にした答えを先に話してしまいます。ずばり、体と舌に隙間がないパックマンが原子性のあるロジックで、体と舌に隙間があるパックマンが原子性のないロジックです。
- 原子性のあるロジック・・・体と舌に隙間がないパックマン(体重がある=重要性高い)
- 原子性のないロジック・・・体と舌に隙間があるパックマン(体重が軽い=重要性低い)
人生において「嫌いな人を避ける」というロジックの例を再び使いましょう。これだけで、その裏にある「嫌いな人以外を求める」ということは確定します。すなわち、「嫌いな人を避ける」の一つだけで目標の達成可能性の上限が百パーセントとなります。はっきりとした目標だということです。問えば確実に答えがでます。その中間はありません。よって、「嫌いな人を避ける」は原子性があるロジックだと言えます。
次に、人生において「好きな人を求める」というロジックと比較してみましょう。その裏にある「好きな人以外を避ける」ことは、重要度が低いという話でした。これだけでは結果の可能性どころか、目標自体が百パーセントに至らず確定していません。「好きでも嫌いでもない人」へのスタンスがボヤッとしたままだからです。自分に問うても確実に答えが出るとは限りません。よって、「好きな人を求める」は原子性がないロジックだと言えます。
したがって、最小のロジック要素の闇と光を考えたとき、そこに隙間がないものを重要性の高い「原子性がある粒子」、隙間があるものを重要性の低い「原子性がない粒子」として間違いないことがわかります。
- 闇と光の間に隙間がない・・・原子性がある粒子(重要性高い)
- 闇と光の間に隙間がある・・・原子性がない粒子(重要性低い)

また、その最小のロジック要素を考えたとき、パックマンの例では、体と舌の隙間のないパックマンのほうが、隙間のあるパックマンより体重がある、ということでした。すなわち、最小のロジックは一つの粒子からできていますから、原子性のある粒子が最も質量が高い最小ロジック、ということになります。言い換えれば、体と舌に隙間があるパックマン(原子性のない粒子)は、比較的質量が低い最小ロジックだということです。
- 体と舌の隙間のないパックマン(原子性のある粒子)が最も質量が高い最小ロジック
- 体と舌に隙間があるパックマン(原子性のない粒子)は比較的質量が低い最小ロジック
話をまとめますと、粒子においては「重要性」=「質量」=「原子性」だということがわかりました。
粒子において
- 「重要性」=「質量」=「原子性」
粒子の重要性
では、粒子の重要性に注目して考えてみましょう。人がある粒子を見たとき、重要性をどう判断しているかわかりますか?面白いテーマですから、しばし、重要性が何択問題なのかをご自分でも考えてみてください。
答えは出ましたか?それでは種明かしをします。
「ニ択+境目」の組み合わせで完結します。以下の手順で人間は物事の重要性を判断しています。
- 物事の重要性の判断を「重要ではない」、「わからない」、「重要」に分けます。さらにそれぞれ、熟考を伴った三つに分けます。
- よく考えて「重要ではない」を三つに分けます。
- よく考えたけど「全く重要ではない」。
- よく考えたけど「全く重要ではない」と「あまり重要ではない」のどちらに入るか決めかねる。
- よく考えた結果「あまり重要ではない」。
- よく考えて「わからない」を三つに分けます。
- よく考えたけど、やはり「重要」。
- よく考えたけど、やはり「わからない」。
- よく考えたけど、やはり「重要ではない」。
- よく考えて「重要」を三つに分けます。
- よく考えたけど「重要」。
- よく考えたけど「重要」と「かなり重要」のどちらに入るか決めかねる。
- よく考えた結果「かなり重要」。
これらをまとめると、人間のロジック内では、あらゆる重要性が五段階評価になるということです。
- 「全く重要ではない」
- 「あまり重要ではない」
- 「どちらでもない」
- 「重要」
- 「かなり重要」
今までの原理を信じるのであれば、全ての重要性はこの五段階で評価をしているはずです。では、何故これが正しいのかを証明してみましょう。
この五段階評価を否定するために、もし、この五つにさらに間があるとしたら、と考えてみてください。そもそも、既にこれは「正確と曖昧さの狭間」を含めた原子性のある分類になっていますので、あり得ないことです。
実際に中間を作ろうとしてみましょう。「重要」と「かなり重要」の間はどうなるでしょうか?例えば、「ほんのちょっと重要」としましょう。実際、「重要」自体が最初から曖昧さを許容した表現になっていますから、結局「ほんのちょっと重要」も、「重要」に入ると感じますね。他にどのように曖昧な重要性を表現しようとしても、どう試してもこの五段階に収まることになります。
ここでの大きな発見は、重要性はその定義が人によって異なるアナログであっても、それ自体は必ずデジタルで計測できるという新事実です。
粒子の質量
「粒子の質量」=「粒子の原子性」=「粒子の重要性」というのは先述の通りです。
ということは、五段階で分類できた重要性で、あらゆる粒子の質量が計測できるはずです。もう一度その五段階を見てみましょう。
- 「全く重要ではない」
- 「あまり重要ではない」
- 「どちらでもない」
- 「重要」
- 「かなり重要」
粒子がこのどれかに属するということは、複数の段階に属することはあり得ないということです。もし、この五段階に原子性があり、それぞれの条件と幅が均等であり、且つ数字が大きい段階が小さい段階を内包していれば、段階を表す数字がそのまま質量であると言ってもよいでしょう。
まず、重要性が質量を指すと考えていましたが、考え方を逆にしてみましょう。どの質量が、どの重要性になるかを考えてみます。
粒子の最大質量を「100」とした場合、「かなり重要」が「100」であることは確実です。ところが、質量「0」とは何でしょうか?考えたトピックに対して「関係がない」が「0」です。ほんの少しでも関係があれば、「0より上」となるからです。
次に、「どちらでもない」とはどういうことでしょうか?曖昧さと正確さの狭間を考慮すれば、その中心の線が必ず全体の中心に来るはずです。よって、その隙間の境目の分厚さがどうであろうと、中心線は質量「50」となります。
ここで問題となってくるのは、「50」から上だけを見た場合、「かなり重要」から下に押し下げて、「どちらでもない」から上に押し上げていったとき、二つがどこでぶつかって「重要」の中心線になるかという疑問です。
ところが、既にこの五段階には、原子性によって明確な境目があることが前項で既に証明されています。よって、後はそれぞれの分厚ささえわかれば良いことになります。
発想を逆転すれば、それぞれの分厚さは明確です。あなたが、「かなり重要」と「どちらでもない」から「重要」を挟んだ場合、それぞれどれくらいの力が掛かるでしょうか?答えは「均等」です。なぜなら、もしそれが均等でなければ、そもそも中間の存在として設定したのが「重要」であるのにも関わらず、重要性の判断について質問をしたときに間違った段階に分類してしまうからです。
実は、「粒子の重要性」で説明した、重要性の分類方法の分解にはもう一段階が存在していました。
細かい話は割愛しますが、あえて利便性を考慮して全て「隙間」を含めた三択の組み合わせとしましたが、実際はニ択の組み合わせで三択を構成していたということです。ここにもう一段階が隠れていました。そのニ択は、振り分けられる数は当然ばらつきますが、必ず原子性のある質問でニ択となっています。重要性の質問を最小まで分解すれば、ビー玉を左右に振り分けるガルトンボードと同じく、粒子の数を増やせば増やすほど中央、すなわち「どちらでもない」が必ず数が多くなる決まった分布のカーブを描くことになります。

一見真ん中の「どちらでもない」の量が多いため、それが重要に見えがちですが、実はそこに罠があります。各項目の分厚さ(粒子の数)は、重要性を判断する粒子の質量分布とは関係ないということです。実際にガルトンボードの各ポケットの幅は均等です。これを覚えておくと後ほど役に立ちます。
先ほど、「かなり重要」と「どちらでもない」が「重要」を挟む力は均等と言いました。ということは、「50」から下も考慮した際に、「全く重要ではない」と「どちらでもない」が挟む力も均等であるということになります。そうすると、今度は一見「どちらでもない」が、外側にニ倍の力で押しているように見えます。しかしそれが間違いであることが簡単にわかります。
そもそも、「どちらでもない」というのは、もし重要性の質問自体をロジックに見立てた場合、その要素の中で「どちらでもない」だけを粒子として見たとすると、隙間と闇と光の均衡が取れた粒子になります。そうすると「どちらでもない」というのは、前後に動けないロジックです。したがって、「どちらでもない」をそれ以外の粒子とつなげた場合に、「どちらでもない」だけが垂直に動きます。
難しい力学の計算を飛ばして説明しますと、この五つを一つのロジックとして直線で結んだ場合、それぞれの前後に掛かる力は全て均等になります。よって、これら五項目は、均等に同じ幅をもつことになるため、それぞれの質量は「20」ずつになるということがわかります。
この計算は非常に面倒なため、まず、幅が均等でない場合はあり得ないことを証明してしまいましょう。「どちらでもない」の幅が一つだけ、妙に他より分厚いケースを想定してみます。
その場合、「どちらでもない」だけが質量「20」以上となり、それ以外が「20」未満となります。わかりやすくするために、「どちらでもない」が質量「40」、それ以外が質量「15」ずつである、とします。先ほどのガルトンボードで振り分けた場合、あらゆる重要性を計るために一万個の項目の重要性を振り分けたとすると、ほとんどの項目が「どちらでもない」に入ってしまいます。ガルトンボードでは、全てのポケットの幅が均等に設置されているのが前提であり、ビー玉の振り分け分布と同じカーブを描くからです。
あらゆることの重要性を計ってみた場合にいずれかの幅を不均等にすると、分布が狂ってしまいます。したがって、振り分けによって分布がビー玉と同じカーブを描くのであれば、それぞれの幅が均等に用意されていなければおかしいということになります。根性のある方は、是非ランダムに提示される一万単語の重要性を振り分けてみてください。
以上で、重要性の五項目の幅が均等であることがおおよそわかりました。次に、重要性の五項目の質量が、それぞれの幅の厚さだけではなく、自身から下位の項目を全て合計した厚さになることを証明しましょう。
例えば、2番の「あまり重要でない」と5番の「かなり重要」を比較すれば、すぐに答えが出ます。下から合計した分厚さが重要性の質量を表すと仮定した場合、「あまり重要ではない」は質量「40」、「かなり重要」は質量「100」となります。
ただし、「かなり重要」が「あまり重要ではない」のニ・五倍かどうか、という判断をしようとすると、答えが出なくなります。考えるべきは、「あまり重要ではない」という中途半端な項目が、「かなり重要」に含まれるかどうかを見るべきです。
ここまで散々いろいろな項目の重要性を振り分けてきたため、それぞれ五つの回答は排他的だと考えてしまいますが、回答そのものは排他的であるという話と、各要素が互いを含むか含まないかという話は全く別なのです。
一見、曖昧な表現の「あまり重要ではない」は、「かなり重要」に含まれていないように見えますが、次のようにすればその答えが一目瞭然です。「親友」を例に、慎重に重要性の判断プロセスを見てみましょう。
あなたは、必ず「親友」の重要性を、質量「0」から始まる「フェーダー」で見ています。「フェーダー」とはウェブサイトや機材で、摘まんで「0」から「100」まで左から右に動かせるインターフェイスのことを指します。音楽機材などで、左から右に回す、丸い摘まみのイメージでも構いません。

そうすれば、あなたは必ず「全く重要ではない」の質量「0」から、「あまり重要ではない」、「どちらでもない」、「重要」、「かなり重要」と右回りにフェーダーを動かしていきます。
このように視覚的に考えれば、「あまり重要ではない」が「かなり重要」に含まれていることが明らかになります。そして、「かなり重要」が「あまり重要ではない」のニ・五倍重要であることが視覚的に理解できました。
以上で、重要性の五項目には原子性があり、質量「0」から「100」までの間でそれぞれの幅は均等で、且つ、自身より重要性が低い段階を内包する五段階評価であることがわかりました。
長い道のりとなってしまいましたが、粒子の質量の数値については、本項の冒頭の通り、重要性の各項目の左側にある分類数字そのものを適用すれば済みます。
- 「全く重要ではない」 =質量 1
- 「あまり重要ではない」=質量 2
- 「どちらでもない」 =質量 3
- 「重要」 =質量 4
- 「かなり重要」 =質量 5
上記を眺めて面白いことが発覚しました。人間のロジックにおいて、「全く重要ではない」粒子の重要性は、その質量が最小の「1」となることです。
粒子の質量の計測
しかし、大事なことを忘れてしまっています。それと同時に、前項の最後の言葉が嘘になってしまいます。忘れていたのは「闇の光」と「光の闇」の存在です。
- 光側(←闇の裏|←闇の表)闇側
- 光側(←光の表|←光の裏)闇側

粒子の質量については「闇」と「光」の両方の質量を計測すべきであるため、前項最後の表現を一部修正せねばなりません。
- 誤:人間のロジックにおいて、「全く重要ではない」となる粒子の重要性は、その質量が最小の「1」となる。
- 正:人間のロジックにおいて、「全く重要ではない」となる粒子の「闇」か「光」の一方の質量が最小の「1」となる。
言い換えると、粒子の質量の最小値は、「1」ではなく「2」となります。「粒子の表と裏」で説明しましたように、闇の表と裏・光の表と裏はそれぞれ表裏一体で、過去の闇が未来の光へ向かう軌道修正を支えていますが、粒子の質量が1になってしまうと、「未来」と「過去」のどちらかが消滅してしまい、前進するための力がなくなってしまうからです。
闇と光それぞれの表裏の集計が必須であることを踏まえた上で、粒子の質量を計測してみましょう。「好きな人を求める」と「嫌いな人を避ける」の二つのロジックを例にとって、表裏両面の質量を計測します。そのための質問は、既にここまで学んだ通りです。
その結果、このような質量が計測されました。
- 闇「嫌いな人を避ける」
- 表の質量「自分の将来を考えれば、今嫌いな人を避けることはどれくらい重要ですか?」=5
- 裏の質量「過去の自分を振り返ると、そのとき嫌いな人を避けることはどれくらい重要でしたか?」=5
- 光「未来に、好きな人を求める」
- 表の質量「自分の将来を考えれば、そのとき好きな人を求めることが実現しているのはどれくらい重要ですか?」=4
- 裏の質量「過去の自分を振り返ると、その前から好きな人を求めることを実現しようとしていたのはどれくらい重要でしたか?」=4
あくまでもこれは一例です。人によっては表裏の点数がこの例と異なることもあります。
前項の通り、片面の質量の絶対評価が1から5であったことから、粒子の質量は、表裏を合計した最大10の絶対数字で表して良いということになります。
- 光「好きな人を求める」の質量=8
- 闇「嫌いな人を避ける」の質量=10

こうすれば、どうして「嫌いな人を避ける」の重要性が、感覚的に「好きな人を求める」の重要性に対して高かったのかが絶対値で理解できるようになりました。
これで、粒子の質量計測の手法は完成です。