- MAGMA理論総論第二編 ー人間のロジックの旅ー その1
- MAGMA理論総論第二編 ー人間のロジックの旅ー その2
- MAGMA理論総論第二編 ー人間のロジックの旅ー その3
- MAGMA理論総論第二編 ー人間のロジックの旅ー その4
- MAGMA理論総論第二編 ー人間のロジックの旅ー その5
「MAGMAメソッド第二編 ー人間の思考の旅ー その2」からの続きです。
ロジックの構成
以上で、あなたはロジックの動作を全てマスターしました。次に、ロジックがどのように構成され、それらをどのようにして複要素ロジックの組み合わせとして使うかについて説明します。
ロジックの作り方
ロジックの組み方は簡単で、<因>と<ロジック>で三種類ずつ存在する要素を組み合わせるだけです。
- <因>
- 悩みの選択肢
- 意思の決意
- 他人のアドバイス
- <ロジック>
- 目的
- ポリシー
- 信念
因の種類
悩みの<因>は、悩みや疑問に関する選択肢の要素を並べるだけです。もし選択肢さえわからない場合は、「何を求める」、「何を避ける」を単一要素として使います。
意思の<因>は、自分がしたいことや避けたいことの要素を並べるだけです。
他人のアドバイスの<因>は、その要素を聞き出して並べるだけです。
ロジックの種類
目的の<ロジック>は、自分がしたい特定のテーマで要素を並べるだけです。
ポリシーの<ロジック>は、自分の考え方をテーマに沿って要素として並べるだけです。
信念の<ロジック>とは、自分の生きる上でのポリシーを要素として並べるだけです。
因とロジックを組み合わせる
あとは、これら<因>と<ロジック>をその場に応じて組み合わせて、第一編で学んだ質問方法で要素を順に書き出して、ロジックを具現化するだけです。
最大のロジック
これまで、あえてロジックの動きを学ぶためにかなり複雑な例を使用してきましたが、この先はいきなり楽になります。なぜなら、「複雑なロジックの動き」で出てきた例のような複雑なレベルのロジックは、実際には存在しないからです。
実は、人間が無意識に考えられるのは、<因>を含めて一つの<ロジック>内に含まれる要素は最大で三つまでです。しかし、いままでの苦労は無駄にはなりません。擬似的に用意した複雑なロジックの動きで、既にあらゆる動作のバリエーションを網羅できているからです。
従って、最も複雑なロジックは以下の構成となります。MAGMA式のロジック表記と、今後表記の省略に便利なロジック構成との両方を示しておきます。
ロジック表記
- <ロジック「最大のロジック構成」:←粒子「C3」←粒子「C2」←粒子「C1」←複合要素「C」←粒子「B3」←粒子「B2」←粒子「B1」←複合要素「B」←粒子「A3」←粒子「A2」←粒子「A1」←複合要素「A」←>
ロジック構成
- <ロジック「最大のロジック構成」>
- 複合要素「A」
- 粒子「A1」
- 粒子「A2」
- 粒子「A3」
- 複合要素「B」
- 粒子「B1」
- 粒子「B2」
- 粒子「B3」
- 複合要素「C」
- 粒子「C1」
- 粒子「C2」
- 粒子「C3」
- 複合要素「A」

ここで、粒子を省略したロジック表記でその形を見てみましょう。
- <ロジック「最大のロジック構成」:←○○○複合要素「C」←○○○複合要素「B」←○○○複合要素「A」←>
単一要素が混合されている場合、一見して違いがわかるようにするため、今後も引き続きこの「○○○複合要素」の表現を公式な省略表記として採用します。
ロジック構造でサブ粒子を省略する際も同様です。
- <ロジック「最大のロジック構成」>
- ○○○複合要素「A」
- ○○○複合要素「B」
- ○○○複合要素「C」
ご覧の通り、合計12の粒子からなる、三つの複合要素が最大のロジック構成となります。では、なぜこれ以上のサイズのものは存在し得ないのでしょうか?
それは、ここまで何度も出てきた通り、人間が一つのロジックとして把握できるのが最大三段階だからです。MAGMA式で表記をすれば、四要素や五要素でもじっくりと流れを見ることができますが、人間が頭の中の<ロジック>内で、同時に前後を比較しながら一瞬で思考を進めることができるのは三要素までです。
特に、人間が<ロジック>の中で考えようとする時系列の組み合わせは、そのほとんどが「未来」、「現在」、「過去」の三つとなります。
- 「未来」をこう作ろう。
- 「現在」をこう行動する。
- 「過去」の経験をこう使おう。
複合ロジックとその動かし方
それでも、三つの要素では考えていることが収まらないと感じるときがあります。その場合でも、人間は三要素までの<ロジック>を複数つないでいることになります。
要するに、一見長く見えるロジックは全て最大三つの<複要素ロジック>を組み合わせた「複合ロジック」に区切られます。また、そのような複雑な思考は、たいていロジックごとに「未来」、「現在」、「過去」と質量順に分けて、三つの段階で考えるという仕組みです。
- [複合ロジック「私の複雑な考え」
- <ロジック「未来についての思考」:←○○○複合要素「C」←○○○複合要素「B」←○○○複合要素「A」←>
- <ロジック「現在についての思考」:←○○○複合要素「F」←○○○複合要素「E」←○○○複合要素「D」←>
- <ロジック「過去についての思考」:←○○○複合要素「I」←○○○複合要素「H」←○○○複合要素「G」←>
- ]
今後、「複合ロジック」については[]で囲うルールにします。

この[複合ロジック]の動かし方も一見複雑に見えますが、一度学ぶと簡単です。あくまでも、今まで学んだルールの組み合わせだからです。
まず、[]以外にも必ず<因>と<果>が存在します、そして、各<ロジック>の前と後ろに必ず<因>と<果>が存在し、次の<ロジック>に直前の<果>をそのまま<因>としてコピーして入力します。
- <因>
- [複合ロジック「私の複雑な考え」
- <因>
- <ロジ「未来についての思考」:←○○○複合要素「C」←○○○複合要素「B」←○○○複合要素「A」←>
- <ーーーーー省略ーーーーー>
- <果>
- <因>
- <ロジ「現在についての思考」:←○○○複合要素「F」←○○○複合要素「E」←○○○複合要素「D」←>
- <ーーーーー省略ーーーーー>
- <果>
- <因>
- <ロジ「過去についての思考」:←○○○複合要素「I」←○○○複合要素「H」←○○○複合要素「G」←>
- <ーーーーー省略ーーーーー>
- <果>
- ]
- <果>
通常<ロジック>を接続する際には、そのまま<因>を<因果>として表記して、直接次の<ロジック>に入力されますが、[複合ロジック]内では必ず一旦<果>と出た結果を、もう一度<因>として重ねて入力されることになります。
なぜなら、複数の<ロジック>をつないで一つの「思考」として使おうとする際には、必ずそれぞれの<ロジック>を分割してその<果>の変化を感じ取って都度<ロジック>ごとの全体を評価しているからです。
要するに人間の最も複雑な思考では、「未来」での<果>は〜で、「現在」での<果>は〜で、「過去」の<果>は〜だった、と考えていることになります。
しかし、この最大の[複合ロジック]も、何度も思考を重ねるうちに一つの<複要素ロジック>に整理されることがほとんどです。なぜなら、[複合ロジック]を頭で考えるのにはかなりのリソースを消費するため、非常に効率が悪いからです。
なお、この[複合ロジック]は<因>としては存在し得ません。<因>に多くの要素が思い浮かぶ際には、最大でも三要素の<複要素ロジック>として区切って、複数回に分けてロジックを動かすしか方法はありません。
ただし、MAGMAメソッドを学んできたあなたは、仮想的に制限より長い<因>と<ロジック>をマスターしているはずです。すなわち、いつでも好きなときに人間の限界を超えた思考の動きをシミュレーションできるのです。日常の問題解決にそれを活用しない手はありません。
ロジックの評価
粒子、要素、ロジックについて、自分がどう思っているかを確認したいときがあります。その際には、同じものを要素ごとに<因>と<ロジック>として動かして、その過程を解析するだけです。
単一要素の場合
- <因 :単一要素>
- <ロジ:単一要素>
- <因果:裏単一要素>
- <逆転:単一要素に入れ替える>
- 本当に単一要素で良いのかな?
- <果 :単一要素>
複合要素の場合
- <因 :複合要素>
- <ロジ:複合要素>
- <果 :複合要素>

ご覧の通り、単一要素では評価をする度に「本当に良いのか」と一度迷いながらデータを評価することになります。複合要素はそのまま悩まずにデータが評価されるだけになります。
実は、先ほどの[複合ロジック]で<因>と<因>、<果>と<因>が直接並んでいたところには、この「ロジックの評価」が挟まっていたことになります。しかし、ロジックの合計質量やデータ総量などを分析しない場合は、途中の経過が煩雑になってしまうため省略しておいても構わないでしょう。
もし[複合ロジック]を評価したい場合は、まず一旦<ロジック>単位に一つ一つ分解してから、それぞれを個別に評価するしか方法はありません。
とにかく、<因>や<ロジック>、その要素自体に疑問が沸いた場合には、この評価方法を使うのが一番です。思ってもみない結果が出ることでしょう。
ロジックの結合
ロジック内の要素が、後に説明する改善プロセスなど何らかの理由で減った場合や、単純にロジック内の要素を増やしたい場合に、二つのロジックを結合できます。
結合前
- <ロジ「何料理かを考える」:←要素「B」(8)←○○○複合要素「A」(10)←>
結合後
- <ロジ「何料理かを考える」:←要素「B」(8)←○○○複合要素「A」(10)←>
- <結合「メニューを考える」:←○○○複合要素「C」(9)←>
- <果 「何を食べるかを考える」:←○○○複合要素「B」(8)←○○○複合要素「C」(9)←○○○複合要素「A」(10)←>
自分の意思で自然なロジックになるように結合してしまって構いません。ただし結合後に、既に学んだように<果>内の要素をメイン質量で並び替える必要があります。上の例では、結合した複合要素「C」が先頭ではなく真ん中に来ています。
結合は、<因>、<ロジック>、<果>のどれにでも使うことができます。
ロジックの分割
長いロジックを分割したほうが自然に感じることがあります。ロジックの分割は、ロジックの動作で習った<分割>通りのルールで行えます。
分割前
- <ロジック「何を食べるかを考える」:←要素「D」←要素「C」←○○○複合要素「B」←○○○複合要素「A」←>
分割後
- <ロジ「何を食べるかを考える」:←要素「D」←要素「C」←○○○複合要素「B」←○○○複合要素「A」←>
- <分割「料理を考えるのはやめた」:←○○○複合要素「B」←○○○複合要素「A」←>
- <果 「メニューを考える」:←要素「D」←要素「C」←>
連続する単一要素は切ってはなりませんが、複合要素の境目では自分の意思で自然なロジックになるように分割してしまって構いません。
ちなみに、<ロジック>の動作で自動的に分割されるのではなく、自分の意思で分割する場合は、<ロジック>の頭や途中の要素を切り出すこともできます。
分割前
- <ロジ「何を食べるかを考える」:←要素「D」←要素「C」←○○○複合要素「B」←○○○複合要素「A」←>
分割後
- <ロジ「何を食べるかを考える」:←要素「D」←要素「C」←○○○複合要素「B」←○○○複合要素「A」←>
- <分割「B料理以外を考えるのはやめた」:←要素「D」←要素「C」←○○○複合要素「A」←>
- <果 「B料理を考える」:←○○○複合要素「B」←>
この分割も、<因>、<ロジック>、<果>のどれにでも使うことができます。
ロジックの接続
複数のロジックを並べて使う方法です。その使い方は非常に簡単で、<ロジック>の<果>を<因果>として、次のロジックへ接続するだけです。言わば、一つのロジックが自動的に動く際の途中経過と何ら変わりはありません。
- <因>
- [複合ロジック「私のやや複雑な考え」
- <因>
- <ロジ「未来についての思考」:←○○○複合要素「C」←○○○複合要素「B」←○○○複合要素「A」←>
- <果>
- <因>
- <ロジ「現在についての思考」:←○○○複合要素「F」←○○○複合要素「E」←○○○複合要素「D」←>
- <果>
- ]
- <因果>
- <ロジ「私の詳細な現在の確認」:←○○○複合要素「I」←○○○複合要素「H」←○○○複合要素「G」←>
- <果>
以上は、学んだばかりの[複合ロジック]にもう一つ<ロジック>を接続して動かした様子です。途中の経緯は見やすさを優先して省略してあります。
結果、既に学んだ<統合>、<評価>、<逆転>、<分割>なども同じ「ロジックの接続」の一種であり、単に複数のロジックが自動的に接続されているだけのことです。
人間は、こうやって色々な思考を次々に接続して考えています。
ロジックの連続
何かに悩んだりするとき、複数のロジックを繰り返し動かすことがあります。それも、同じロジックを連続して接続するだけです。
ロジックの連続の最悪の例が後に説明する「混乱」です。
- <因>
- <ロジ「将来の方向性」:←○○○複合要素「C」←○○○複合要素「B」←○○○複合要素「A」←>
- <因果>
- <ロジ「将来の方向性」:←○○○複合要素「C」←○○○複合要素「B」←○○○複合要素「A」←>
- <因果>
- <ロジ「将来の方向性」:←○○○複合要素「C」←○○○複合要素「B」←○○○複合要素「A」←>
- <果>
この間に、<因><ロジック><果>を精査して、ポリシーすなわち<ロジック>内の要素を調整しながら改善していくことになります。その手順については後ほど説明します。
以上で、本編で学ぶべきあらゆるロジックの構成と形態、そしてそれらの組み合わせを学んだことになります。
ロジックの使い方
ロジックの全ての形と動きを覚えたところで、日常的な考えごとに合わせて実際にロジックを使ってみましょう。
しかし、ここまで様々なロジックの動作を見てきた上で一つ大きな疑問が残ります。それは、<ロジック>の<果>には必ずしも自分の意思決定と一致するとは限らない小さな要素が出てくるということです。
そのパターンには二つありました。
- <因>に、<ロジック>に含まれていない要素が一つでも含まれている場合、その<ロジック>に含まれていない<因>の要素のうち、一番左のものが<果>となる。
- <因>の要素が、<ロジック>に全て含まれている場合、<因>と共通する要素のうち<ロジック>内で一番左のものが<果>となる。

ここで誤解を生みやすいのは、<ロジック>の<果>とは、決してあなたが選択した「意思決定」ではないということです。
ロジックの<果>の意味
<果>の二つのパターンにおいて、<ロジック>の<果>とはこのような意味を持ちます。
- 自分がまだもっていない選択肢の中で、あらゆる妥協の末に最後には最も小さな抵抗で受け入れてしまう最終手段。すなわち、自分の「ポリシー外での意思決定の保険」。
- 自分が既にもっている選択肢の中で、あらゆる妥協の末に最後には無抵抗に受け入れてしまう最終手段。すなわち自分の「ポリシー内での意思決定の保険」。

それら最終手段が<ロジック>の<果>として出るのであれば、自分の意思決定が意味をなさないのではと思われるかもしれません。しかし、ロジックの使い方をここで理解すれば、<因>と<ロジック>、<果>の役割を正しく理解できます。
そこで、人間で最も多いであろう「悩みごとのロジック」を使って、ロジックをどのようにして動かし、自分が意思決定をし、選択肢を切り捨てていくのかを実際の例を通して見てみましょう。
悩みごとのプロセス
今回は、デザートに迷う状態をロジックとして動かしてみます。
- <←果←><←ロジック「デザートの選び方」←><←因「デザートの悩み」←>
のパターンです。ただし、既に自分の「デザートの選び方」ポリシーに含まれる選択肢で「自分の好きなデザートのうち、『ケーキ』と『フルーツ』を候補にしようか?」を悩んでいる状態を想定します。
- <因 :←要素「フルーツを求める」←要素「ケーキを求める」←>
- <ロジ:←要素「フルーツを求める」←要素「ケーキを求める」←要素「アイスクリームを求める」←>
- <因果:←裏要素「フルーツを求める」←要素「ケーキを求める」←要素「アイスクリームを求める」←裏要素「ケーキを求める」←要素「アイスクリームを求める」←>
- <統合:←裏要素「フルーツを求める」←要素「ケーキを求める」←裏要素「アイスクリームを求める」←>
- <逆転:←要素「フルーツを求める」に入れ替える←要素「アイスクリームを求める」に入れ替える←>
- <因果:←要素「フルーツを求める」←要素「フルーツを求める」←要素「フルーツを求める」←>
- <統合:←裏要素「フルーツを求める」←>
- <逆転:←要素「フルーツを求める」に入れ替える←>
- <果 :←要素「フルーツを求める」←>
結果、最終手段の選択肢としては「フルーツ」が出ましたが、それまでの経緯で「悩み」と「迷い」の回数は以下のようになりました。
- 「アイスクリーム」=「悩み」3回+「迷い」1回
- 「ケーキ」=「悩み」3回+「迷い」0回
- 「フルーツ」=「悩み」6回+「迷い」2回
※悩み=<ロジック>が連なった回数、思考の回数
※迷い=<逆転ロジック>が動作した回数
要するに、あなたが「フルーツ」と「ケーキ」のどちらをデザートにするかを考えている間に、これだけの「悩み」と「迷い」の種が現れたということです。
元々<ロジック>内の三つの要素に満足がいっている前提であれば、この中では「ケーキ」を選ぶことが一番思考が軽いことになります。すなわち、「ケーキ」をもしこの場で提案された際には気軽にそれを受け入れてしまうことになります。
しかし、意思決定の流れを見るために、そのまま自分でどちらかを選ぶプロセスに進んでみましょう。
選択肢の評価のプロセス
悩んだあとは、入力した悩みについて「どれしようか?」と選択肢の評価のプロセスに入ります。その際、前回出た<果>を<因>として、元の「悩みごと」の選択肢を<ロジック>として接続して通します。つまり、「悩みごと」の最終手段を選択肢と照らし合わせながら、選択したほうが良いのかどうかを一つずつ評価することになります。
- <因果:←要素「フルーツを求める」←>
- <ロジ:←要素「フルーツを求める」←要素「ケーキを求める」←>
- <因果:←裏要素「フルーツを求める」←要素「ケーキを求める」←>
- <逆転:←要素「フルーツを求める」に入れ替える←>
- <因果:←要素「フルーツを求める」←要素「フルーツを求める」←>
- <統合:←裏要素「フルーツを求める」←>
- <逆転:←要素「フルーツを求める」に入れ替える←>
- <果 :←要素「フルーツを求める」←>
- 「ケーキ」=「悩み」1回+「迷い」0回
- 「フルーツ」=「悩み」5回+「迷い」2回
これで一旦<ロジック>の「接続」が終了します。この段階でも、どちらの要素も「満足」していることが前提ですから、「フルーツ」に比べて、「ケーキ」を選択することが非常に軽い決断になります。
よって、これ以上外部要因の条件や他人の提案がなく、他の条件が現れない場合は、ここで「ケーキ」を選択することになります。
しかし、ここに新しい条件が入ってくると、その選択結果が変わってくることがあります。
選択肢の再評価のプロセス
選択肢の評価の意思決定に新しい条件や他人のアドバイスが現れた場合は、別のロジックとして選択肢をその新しい条件で動かしてから、再度評価するプロセスに入ります。
たとえば、「今日はできれば健康的なデザートにしよう」と考えたとします。
- <因 :←要素「フルーツを求める」←要素「ケーキを求める」←>
- <ロジ「新しい条件」:←要素「健康的なデザートを求める」←>
- <因果:←要素「健康的なデザートを求める」←要素「健康的なデザートを求める」←>
- <評価:←要素「フルーツを求める」に変換する←要素「ケーキを求める」をスルーする←>
- <因果:←要素「フルーツを求める」←要素「フルーツを求める」←>
- <統合:←裏要素「フルーツを求める」←>
- <逆転:←要素「フルーツを求める」に入れ替える←>
- <因果:←要素「フルーツを求める」←>
- <ロジ「再評価」:←要素「フルーツを求める」←要素「ケーキを求める」←>
- <因果:←裏要素「フルーツを求める」←要素「ケーキを求める」←>
- <逆転:←要素「フルーツを求める」に入れ替える←>
- <因果:←要素「フルーツを求める」←要素「フルーツを求める」←>
- <統合:←裏要素「フルーツを求める」←>
- <逆転:←要素「フルーツを求める」に入れ替える←>
- <果 :←要素「フルーツを求める」←>
- 「ケーキ」=「悩み」1回+「迷い」0回
- 「フルーツ」=「悩み」9回+「迷い」3回
- 「健康的なデザート」=「悩み」2回+「迷い」0回
これまでは、全ての<因>の要素に「満足」していたはずが、「健康なデザート」であるかどうかを評価したとたん、「ケーキ」が「不満足」に変わってしまいました。
よって、この<ロジック>における意思決定は「満足」のいった「フルーツ」となって完了したとします。
ここまでの意思決定で、「悩み」と「迷い」を集計してみましょう。
- 「アイスクリーム」=「悩み」3回+「迷い」1回
- 「ケーキ」=「悩み」5回+「迷い」0回
- 「フルーツ」=「悩み」20回+「迷い」7回
- 「健康的なデザート」=「悩み」2回+「迷い」0回
- 合計=「悩み」25回+「迷い」6回
結果、選択肢のポリシー内にあるデザート2つから「健康的なデザート」がどちらか迷う「悩みごと」で、25回の「悩み」と6回の「迷い」が発生しています。
これで、「悩みごと」におけるロジックの使い方がわかりました。実際に、以上の流れを文章化してみればよくわかります。
- 今日は「ケーキ」と「フルーツ」を選択肢にして良いのか迷う。
- もともと、デザートは「アイスクリーム」、「ケーキ」、「フルーツ」の順で好き。
- 最終手段は「フルーツ」で「ケーキ」が良いが二つを選択肢としよう。
- 今日は「ケーキ」、「フルーツ」の順で選ぶ。
- 最終手段は「フルーツ」だが「ケーキ」が良い。
- 結論として「フルーツ」にしよう。
- 「新しい条件」が現れた。
- 今日は「ケーキ」か「フルーツ」を選択肢にして良いのか迷う。
- 今日は「健康的なデザート」を選びたい。
- 最終手段は「フルーツ」だが、「健康的なデザート」としては「ケーキ」は「不満足」で「フルーツ」が良いのだが二つを選択肢としよう。
- 今日は「ケーキ」、「フルーツ」の順で選ぶ。
- 最終手段は「フルーツ」だが、「ケーキ」は「不満足」なので「フルーツ」が良い。
- 結論として「フルーツ」にしよう。
結局、最終手段の「フルーツ」に思考量のほとんどが消費されてしまっていることになります。
悩みごとから意思決定までの流れ
悩みごとの<因>がポリシーの<ロジック>に入力されてからの流れをもう一度まとめておきます。
- <因 「選択肢の悩み」>
- <ロジ「ポリシー」>
- <果 「最終手段」>
- <ロジ「選択肢の評価」>
- <果 「最終手段」>
- 「選択の意思決定」
- 「新しい条件の登場」
- <因 「悩み」>
- <ロジ「新しい条件」>
- <果 「最終手段」>
- <ロジ「選択肢の再評価」>
- <果 「最終手段」>
- 「選択の最終意思決定」
こうやって人間は、様々な人生の岐路で、要素の評価を繰り返しながら意思決定をしています。
この例では、そもそも自分が満足していたポリシー内のロジックですので、「健康的なデザート」の判断以外には、「不満足」の苦しみが伴わない意思決定でした。しかし生活の中では、自分が好まない、自分の<ロジック>にない要素を結論として選択せざるを得ないケースが多々あります。
不満のある悩みごとのプロセス
次はあえて、嫌いなデザートの誘いを、大事な友人とのお付き合いで行こうかどうか迷うケースを見てみましょう。ここではわかりやすく、要素を「嫌いなチョコレートを求める」としておきます。
- <因 :←要素「嫌いなチョコレートを求める」←>
- <ロジ:←要素「フルーツを求める」←要素「ケーキを求める」←要素「アイスクリームを求める」←>
- <因果:←要素「フルーツを求める」←要素「ケーキを求める」←要素「アイスクリームを求める」←>
- <評価:←要素「嫌いなチョコレートを求める」に変換する←>
- <因果:←要素「嫌いなチョコレートを求める」←要素「嫌いなチョコレートを求める」←要素「嫌いなチョコレートを求める」←>
- <統合:←要素「嫌いなチョコレートを求める」←>
- 「アイスクリームを求める」=「悩み」1回+「迷い」0回
- 「ケーキを求める」=「悩み」1回+「迷い」0回
- 「フルーツを求める」=「悩み」1回+「迷い」0回
- 「嫌いなチョコレートを求める」=「悩み」4回+「迷い」0回
そもそも自分の選択肢にない要素の選択プロセスは至って簡単です。今回の選択肢は1つですから、このロジックだけで自分の選択肢とそこにない要素を対比した評価が終了してしまいます。
本来好きな「アイスクリーム」、「ケーキ」、「フルーツ」であれば抵抗なく受け入れられるものが、「嫌いなチョコレート」では他の4倍も悩んでしまいます。
しかし、それでも「フルーツに誘ってチョコレートをやめたい」などと考えた場合は、その場で「フルーツを求める」をロジックとして接続します。
- <統合:←要素「嫌いなチョコレートを求める」←>
- <ロジ:←要素「フルーツを求める」←>
- <因果:←要素「フルーツを求める」←>
- <評価:←要素「嫌いなチョコレートを求める」に変換する←>
- <果 :←要素「嫌いなチョコレートを求める」←>
ここまでの合計:
- 「アイスクリームを求める」=「悩み」1回+「迷い」0回
- 「ケーキを求める」=「悩み」1回+「迷い」0回
- 「フルーツを求める」=「悩み」2回+「迷い」0回
- 「嫌いなチョコレートを求める」=「悩み」6回+「迷い」0回
これが、「悩みごと」が止まって意思決定がされるまで、「嫌いなチョコレート」が他の選択肢と比較され続けます。その間に、「嫌いなチョコレート」を6回も意識してしまっています。
その結果、今回はこの時点で「嫌いなチョコレート」に付き合うことに決めたとします。
こうやって、意思決定までに「不満足な要素」を何回も考えてしまうことになり、ロジック全体にも「満足」することはないまま思考が動き続けます。
不満のある「悩みごと」の流れも文章化して見てみましょう。
- 今日は「嫌いなチョコレート」に付き合うか悩む。
- もともと、デザートは「アイスクリーム」、「ケーキ」、「フルーツ」の順で好き。
- 最終手段は「嫌いなチョコレート」だが、「アイスクリーム」、「ケーキ」、「フルーツ」が良い。
- どうにか「フルーツ」にしたい。
- 最終手段は「嫌いなチョコレート」だが、「フルーツ」にしたい。
- 結論として「嫌いなチョコレート」に付き合おう。
この例では、「嫌いなチョコレート」を常に意識しながら「不満足」な苦しみがつきまとう意思決定になりました。
不満のある悩みごとから意思決定までの流れ
こちらの例も、「不満足」な要素が<因>に入力されてから意思決定までの流れをまとめておきます。
- <因 「不満足な選択肢の悩み」>
- <ロジ「ポリシーと不満足な選択肢の評価」>
- <因果「最終手段」>
- <ロジ「満足な選択肢との再評価」>
- <果 「最終手段」>
- 「選択の最終意思決定」
この例では選択肢が一つですが、もし選択肢が二つ以上ある場合は、「選択肢の評価」プロセスが入ることになります。
意思決定と結論
以上の二つの例から、「意思決定」とは<ロジック>の<果>を指すのではなく、<果>という最悪の場合の最終手段を前提に、<ロジック>を動かして、<因>の選択肢の要素の評価を行うプロセスであることがわかりました。
- 意思決定=<果>という最悪の場合の最終手段を前提に、<ロジック>を動かして、<因>の選択肢の要素の評価を行うプロセスである。
すなわち、自分の「意思決定」については、ロジックの<果>とは別に以下のように記録しておくべきものだったのです。
- <因 :←要素←>
- <ロジ:←要素←>
- <果 :←要素←>
- <結論:←要素←>
これで、ここまでの例で<ロジック>の<果>と自分が決めた意思「結論」の選択肢が異なる理由がはっきりしました。
実は、先ほどの[複合ロジック]で<因>と<因>、<果>と<因>が直接並んでいたところには、この<結論>が挟まり、それが次の<因>となることがあります。
<結論>は、ロジックの接続が終わり、ロジックの動作が止まって初めて出る自分の意思決定としての「結論」です。普段は最終手段である<果>よりも重要性の高い<因>の要素を選択することがほとんどですから、<果>と<結論>の要素が違っていることが多いのは当然のことです。

この手順の途中で不満足な要素が存在している場合、それを意識する回数ばかりが積もって、ロジック全体に満足がいかないままに「意思決定」を行うことになります。
その意思決定プロセスで、「悩み」や「迷い」の回数が積もれば積もるほど、そのロジックの総質量がかさみ、「重い思考」すなわち「重い意思決定」になります。
そして、その繰り返される<ロジック>に対して、経過として意識する要素が「満足」であろうが「不満足」であろうが、反応として出てくるのが「個人の揺らぎ」としての「個人の感情」となります。
もし、<果>に「不満足」な場合は、その<果>を<因>としてそれ自身や他の要素に対して「選択肢の評価」をしたり、元の<ロジック>にそれ単体を入力して再度自分のポリシーにおける「ロジックの評価」をしたりして、一旦<結論>が出るまで次々と別ロジックとして連続していくことになります。
- <因 :←要素←>
- <ロジ:←要素←>
- <因果:←要素←>
- <ロジ:←要素←>
- <果 :←要素←>
- <結論:←要素←>
もし、一旦自分が出した<結論>に「不満足」で、またそれを意識してしまった場合、その<結論>を<因>として同様にロジックを連続していくことになります。
- <因 :←要素←>
- <ロジ:←要素←>
- <因果:←要素←>
- <ロジ:←要素←>
- <果 :←要素←>
- <結因:←要素←>
- <ロジ:←要素←>
- <因果:←要素←>
- <ロジ:←要素←>
- <果 :←要素←>
- <結論:←要素←>
だんだんと、人間の思考が「混乱」に突入する理由も見えてきました。
ロジックの「満足」と「不満足」
先例のように、そもそも「不満足」な要素を選択肢として考慮せざるを得ない状況では、何が自分に「不満足」であるかは明確ですが、生きている間に知らず知らずのうちに不満足な要素をロジックに取り入れてしまうこともあります。
よって、ロジック全体に満足がいくかいかないかのパターンは以下の通りとなります。
ロジック全体に満足がいくパターン
- <結論(満足)><満足する果><満足要素だけのロジック><満足要素だけの因>
ロジック全体に満足がいかないパターン
- <結論(不満足)><満足する果><満足要素だけのロジック><不満足要素を含む因>
- <結論(不満足)><不満足な果><満足要素だけのロジック><不満足要素を含む因>
- <結論(不満足)><満足する果><不満足要素を含むロジック><満足要素だけの因>
- <結論(不満足)><不満足な果><不満足要素を含むロジック><満足要素だけの因>
- <結論(不満足)><満足する果><不満足要素を含むロジック><不満足要素を含む因>
- <結論(不満足)><不満足な果><不満足要素を含むロジック><不満足要素を含む因>
以上のパターンで、1.以外はロジックの全体に満足がいっていないことになります。言い換えれば、ロジックの全体に満足がいって初めて、自分が導き出した意思の<結論>にも「満足」がいくことになります。

そして、1.以外のパターンに当てはまる思考をひたすら「連続」して続けねばならない状況が「混乱」のきっかけになるのだと推測できます。
要素の「満足」と「不満足」
では、そもそも要素の「満足」と「不満足」とは何でしょうか?
「満足」と「不満足」は要素に対する自分の「好き嫌い」を指します。そして「好き」はそのまま「大切さ」を指します。
すなわち、要素は全てあなたの個人の揺らぎを含めて、以下の三つに分類できます。
- 「満足」して「好き」で「大切な」要素
- 「満足」でも「不満足」でもなく、「好き」か「嫌い」か、「大切」か「大切ではない」かもわからない要素
- 「不満足」で「嫌い」で「大切ではない」要素
「3」の要素が<因>と<ロジック>のいずれかもしくは両方に一つでも含まれている場合には、「ロジック全体に満足がいっていない」ことになり、必然的に<結論>も「不満足」となります。
「2」の要素は厳密には「満足」ではありませんが、それに対してはネガティブな感情を抱きませんし、「嫌い」でもありませんから<結論>の「満足」には影響を与えません。
ロジックの「不満足」の解消
これで、ロジック内でどの要素が「不満足」なのかが確実に判別できるようになりましたから、次に考えるべきはいかにそれらを減らしてしまうかです。
「不満足要素」の除去
<因>や<ロジック>に「不満足要素」が含まれている場合には、単純にそれらが選択肢やポリシーから除去できるかを考えます。
もし、取り除けるようであればすぐにそうしてください。全ての「不満足要素」が除去できれば、その場でそのロジック全体に満足がいきます。
「不満足」なロジックの解消と軽減
それでも、先述の通り人間社会では「不満足要素」を選択肢として考慮せねばならないことがあります。その場合は、「不満足要素」を完全には除去できないのが前提ですから、以下の手順であらかじめできるだけ「不満足要素」を意識する回数を減らし、最後の手段からは外しておきます。
- <ロジック>に「不満足要素」が含まれている場合
- そもそも、知らないうちに「不満足要素」が取り込まれてしまっているので、その場で「不満足要素」を自分の<ロジック>の考え方から除去する。
- <因>に「不満足要素」が含まれている場合
- 意思決定の結果として選択される可能性が低い「不満足要素」を<因>から除去する。
- 残った「不満足要素」のうち、一番メイン質量の低いものと同じ次元で、それよりも軽く<ロジック>内に含まれていない「満足要素」を<因>の小さな選択肢として追加し、「不満足要素」が<ロジック>の<果>とならないようにする。


この手順を取れば、<ロジック>内に存在しない<因>の一番左の要素が必ず<果>として出ますから、より負担の少ない「満足要素」が最終の手段として<果>になります。
先ほどの「嫌いなチョコレート」の例の「不満足」を軽減してみましょう。「嫌いなチョコレート」よりも重要性が低い「シャーベット」を<因>に選択肢として入れてしまいます。
- <因 :←要素「シャーベットを求める」←要素「嫌いなチョコレートを求める」←>
- <ロジ:←要素「フルーツを求める」←要素「ケーキを求める」←要素「アイスクリームを求める」←>
- <因果:←要素「フルーツを求める」←要素「ケーキを求める」←要素「アイスクリームを求める」←要素「フルーツを求める」←要素「ケーキを求める」←要素「アイスクリームを求める」←>
- <統合:←裏要素「フルーツを求める」←裏要素「ケーキを求める」←裏要素「アイスクリームを求める」←>
- <逆転:←裏要素「フルーツを求める」に入れ替える←裏要素「ケーキを求める」に入れ替える←裏要素「アイスクリームを求める」に入れ替える←>
- <因果:←要素「フルーツを求める」←要素「フルーツを求める」←要素「フルーツを求める」←>
- <統合:←要素「フルーツを求める」←>
- <評価:←要素「シャーベットを求める」に変換する←要素「嫌いなチョコレートを求める」に変換する←>
- <果 :←「シャーベットを求める」←>
- <結論(不満足):←「嫌いなチョコレートを求める」←>
「不満足」軽減後の思考:
- 「アイスクリームを求める」=「悩み」3回+「迷い」1回
- 「ケーキを求める」=「悩み」3回+「迷い」1回
- 「フルーツを求める」=「悩み」7回+「迷い」1回
- 「嫌いなチョコレートを求める」=「悩み」1回+「迷い」0回
- 「シャーベットを求める」=「悩み」1回+「迷い」0回
- 合計=「悩み」15回+「迷い」3回
「不満足」軽減前の思考と比較してみましょう。
- 「アイスクリームを求める」=「悩み」1回+「迷い」0回
- 「ケーキを求める」=「悩み」1回+「迷い」0回
- 「フルーツを求める」=「悩み」2回+「迷い」0回
- 「嫌いなチョコレートを求める」=「悩み」6回+「迷い」0回
- 合計=「悩み」10回+「迷い」0回
ロジックが複雑になる分だけ、好きなデザートに対する「悩み」や「迷い」が増えて思考が重くなってしまうことは否めませんが、「不満足」な要素である「嫌いなチョコレート」の意識は六分の一に減りました。
さらに、意思決定の最後の保険となる<果>にも、「シャーベット」を用意しておくことができました。
これで、あなたがこの「悩みごと」のロジックで「嫌い」だというネガティブな感情を抱く機会が大幅に減少しました。
こうすることによって、「不満足要素」が<ロジック>の動作中に「悩み」や「迷い」の種として意識される回数をできる限り減らし、最終の逃げ道の保険として自分が満足できる要素を準備しておけば、「思考量が増えた」としても非常に「気が軽く」なります。